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語りと筆しごと~書家香玉のうずまき帖

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2011年10月11日
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カテゴリ:Name's Story
大津波からきょうで7ヶ月。復興へ!という力強い合言葉は聞こえるものの、その地は今実際のところ、どんな状態なのか、そこに暮らす人々はどんな気持ちでこの7ヶ月をすごしてきたのか、とてもとても想像に及ばない。ただただ案じている、それだけの情けなさである。

そんな中、震災前から書の注文などで交流のあった石巻のご家族から、思いがけない贈り物が届いた。

「がんばろう宮城」のステッカーが貼られた小包。中身は石巻名産の笹かまぼこと仙台名物、牛タンの詰め合わせであった。

なんということ!

急いで、贈り主に電話をかける。メールで受注のやりとりがあっただけで、実際に話すのも初めてだったその人。電話口に出られたのは、正確には何度か注文をくれた二十代女性のお母さまだったのだが、私が名乗るとすぐに反応してくださり「素敵な書をいただいて本当にうれしくて。何かしてさしあげたいとずっと思っておりまして…石巻はこうして元気にやっておりますとただお伝えしたくて」と穏やかなお声。

いや、そんなそんな、なんというか、私の方こそ何かと思いながらこんなことしかできず…と恐縮しきりで、電話を手に何度もお辞儀をしてしまった。

こんなことがあっていいのだろうか。あらためて東北の人々の奥ゆかしさ、あたたかさをかみしめる。

「そちらはいくらか変わりましたか」浅はかな私は軽い気持ちでこんなことを聞いてしまった。
「いいえ、なんにも変わりません。けれどそれでもみんなで力を合わせていくしかないのです」とお母さま。

たまたま高台に家があって、みんな無事であった石巻のとあるご家族。一時は、家をなくした人たちを受け入れ、生活をともにしていたこともあった。
とはいえ、周囲の状況はいまだあの日からなんら変わっていないのだそう。

ショックである。
そんな中でもこんな贈り物をして下さるそのお気持ち。つくづく人間とは尊い。人間のひとりとして、恥ずかしくない生き方をせねばと思う。

感謝





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最終更新日  2020年10月22日 11時16分50秒



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