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語りと筆しごと~書家香玉のうずまき帖

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2011年10月23日
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カテゴリ:Name's Story


まことのこころに
あふれしひと
そらたかく
あなたまついのちにそそげ
あいとどけ

日本一忙しいと言われる空飛ぶドクター
小林誠人先生に贈らせていただきました書です。
今年の夏、TBS情熱大陸でその活動を拝見してからというもの、こんなお医者様が身近にいてくださったらどんなに安心だったろうとただただ涙があふれ、これぞ誠の人だとそのお名前に心奮い立ちました。

満足な治療が受けられず田舎の病院で父をあっさりと失ってしまった私にとって、救命のためならばたとえ無駄足であっても、とにかく駆けつける。ご自分の負担を一切かえりみることなく誠意を持って患者と向き合い、できる限りの手を尽くすというその真摯なお姿はまぶしいほどに衝撃的でした。

本来、医者と患者は近い存在であるべきはずなのに、今の医療は、とにかく情報だけはたくさん転がっているのですが、患者側に相当な収集能力と選択眼がない限り、医者から手を差し伸べてくれることはそうそうなくて、その距離は広がるばかりです。そうでなくとも心身に大きなダメージを抱えているにも関わらず、患者は必死に誠意ある医者に歩み寄ろうと努力を続け、運が良ければやっとのことでその命を守れる。

父の病院選びを完全に失敗してしまった私は自戒を込めてそう強く感じていて、これからの学びとしなければと思っています。病床で身動きがとれない父を何度、ちゃんと心を込めて治療をしてくれる、もしくはその命が残り少なくとも最後の安らぎと緩和を与えてくれる医者のいる病院へ、どうにかして運んであげられないものかとやきもきしたことでしょう。こんなことならギリギリまで自宅で頑張り、最後は道に倒れた方がまだマシでした。そこがもし兵庫あたりなら、小林先生がヘリで飛んできてくれたでしょう。

まともに病院に行けば、先生に診てもらえるまでかなりの時間がかかるのに、小林先生が提唱するドクターヘリ、ドクターカーは、常に万全の体制で、その場にすぐにお医者さまが現れ、適切な処置をしてくださるのです。こんな夢のような医療があるでしょうか。もちろん命に関わる緊急の場合だけですが、先生は行政区の垣根を破り、いかに効率的に、それを必要とする人のところへ確実にこのシステムが浸透するように努力を重ね、さまざまな斬新なアイデアを打ち出されています。

寝る間もないほどに、張りつめたお忙しい毎日であろうと想像するのですが、私のラブコールにもしっかりこたえてくださり、私の活動に関心を示し、一方的なプレゼントをとても喜んでくださいました。
これだけ見てもいかに一人一人の患者と向き合い、人との絆を大切にされているかがわかります。
本当に素敵な方です。
こんなお医者さまと普通に出会える時代が早く来ますように…父の一周忌を前にしみじみと願う夜です

2020年10月28日 追記
父の死から10年の節目に

先生とはその後も交流が続き、先生のお子様の門出やご両親の長寿のお祝い、また、同じ職場の方からも書のご注文など頂くようになり、なんとも信じられないほど温かで嬉しいご縁が次々とできました。
私が思う以上に、先生は私の書を大切にしてくださり、仕事場に飾ってくださっているだけでなく、パソコンのデスクトップにも貼って、ハードな日々のひとときの癒しとしているとお言葉を下さいました。
これもまた父の死あったからこその新しい喜びなのだと今になってしみじみ思えます。

真ん中が小林先生
左は先生の同級生で歯科医の太田先生

なんと!
福岡に講演に来られた際にお会いして会食まで叶いました。繋いでいただいた方もまた、先生の同級生で福岡で歯科医院をされている素敵な方です。

この仕事をして本当によかった。
そして父を失ったことで得たことの意味をしみじみと考える2020年でした。





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最終更新日  2020年10月29日 08時41分37秒



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