|
カテゴリ:TV・映画・観劇・読書・展覧会リポート
桜の季節の終焉と共に毎朝のカムカムが終わりました。NHKの朝ドラの集大成みたく宣伝に走ってるところや、こんなに次々とうまいこと繋がるかいなと苦笑するところもあったけれど、戦前戦後そして令和の今をさらに超えて生きる人々の人生模様を通しで見れる壮大な作りが興味深く、オンタイムで見れない時には録画してまで、結局最後まで見てしまいました。
すべての伏線を回収したと話題の最終回。 様々な登場人物のその後を映し出していてああ、みんな幸せでよかったなと。 寂しさや恨みや憎しみを抱えたまま年を重ねたるいさんは、ついに母親に会うことができ、ためらうことなく抱きついた。娘の反発をまともに受け止め、自分が消えた方が幸せなんだと海外に逃げたという安子さん。いくら嫌いと言われても離れることなんてできないのが母親じゃないのかしらと凡人の私なんかは思うけれど人の気持ちなんてその人にしかわからないもので、その人がそう決めて貫き通したその道はその人にとっての正義であり生きる支えであり、誰から理解されずともその人の人生そのものだ。 ということも、凡人ながらもそれなりに年をとり宿曜を学んだ私にはなんとなく合点がいく。 生まれてすぐに母親を亡くし、母の愛を知らない私の母なんかは、生きていれば会えるのね。。と、とても冷めていた。 ともあれ、だからこそ、孫があんなに走って走って求めても、最後の最後まで逃げ続けた。いやいや足が速すぎるやろ。「私の母はそんな人だから」と会うことをあっさり諦めようとしたるいの台詞も見事だったな。 そう、心に残った台詞がたくさんあった。 「ひなたの道を歩けば、きっと人生は輝くよ」は作品全体のスタンダードになったけれど、一番話題になっていたのは、松重さん演じるラストサムライ虚無蔵の言葉ではなかろうか。 「鍛錬を怠るな」 「いつ来るやともしれぬ機会に備えて鍛錬せよ」 「そなたが鍛錬し培ったものはそなたのもの」 ハマり役でしたね。ズシリと重みのある言葉が生きていた。ついつい筆文字で書き留めました。 最終回では虚無蔵のその後は出てこなかったけれど、ハリウッド映画にも出られたし鍛錬が実って思いを遂げ、素晴らしい人生だったのではないでしょうか。 余談ですが、サムライ言葉は実は、幼少時より我が家でもよく耳にしていました。 時代劇好きな父がよく半分おふざけ半分本気で日常的に「茶をしょもう!」「さらばじゃ」「おごめん」「おたのみもうす」などと機会あるごとに言い放ち、家族の笑いを誘っていたのです。 だからこそ虚無蔵さんに余計親近感を感じていました。 ところで、現情勢で「いざに備えて鍛錬せよ」と聞くとなんだか別の意味にも感じませんか? そう、何故プーチンの暴走を止められないのでしょうか。 無知な凡人である私には、小学生レベルで疑問ばかりです。 戦争反対、無差別殺戮はとんでもなく重罪であると子供でもわかることなのに、何故? プーチンは何がしたいのか。ロシアの人々は本当にこれでいいのか? プーチンもただ一人の人間。歴史の中のヒットラーのような凶悪な独裁者で誰も逆らえないのですか? 逆らえばさらに恐ろしいことになるのですか?誰か教えてほしい。 私たちは今、何を鍛錬すべきなんでしょう。 有事に備えて核を持つべき、軍事力を増強すべきと今こそ声を大にしている人も多くいます。 対するウクライナに武器を送り込むことが解決になるとはとても思えないのです。 武力は武力では解決しないと誰もが分かっているはずなのに、報道ではそれしかないと言っているように聞こえる。本当にそうなのでしょうか。 ウクライナの駅に打ち込まれたミサイルのなんと原始的なこと。映画のセットのようです。 何も知らない子供を含めたくさんの民間人が殺されているそうです。こんな麗らかな桜の季節にあって、まさしく今、そんな悲劇が起こっているなんて到底信じられませんが、これは事実。 胸がざわざわします。 かつてカミカゼ的に暴走した日本が原爆2発で降伏し戦争が終わった。 あれから半世紀以上が経ったというのに、まだそんな終わらせ方しかないのでしょうかね。 カムカムの中では、戦死した人々の想いも印象的に描かれていました。 当時は、このようなことを書くだけでも非国民と投獄されていた。 少なくとも今はそんな時代では決してないはず。 ですが、ロシアの人々がもしや同じ目に遭ってるのだとしたら。 などとも考えてしまいます。 ロシアの国営放送の生番組でメッセージを発信した女性はどうなったのでしょうか。 鍛錬。 真実を見極めること。 正しい方法を探る目と頭を養うこと。 そんな風に私は考えます。 これはZ世代と呼ばれている私たちの子供たちにも強く言いたい。 冷静に賢くなろう。挑発にのってはいけない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023年07月22日 09時10分20秒
[TV・映画・観劇・読書・展覧会リポート] カテゴリの最新記事
|