森のタネ
宮脇先生は1970年代、ちょうど高度成長期と呼ばれていた頃から、世界の森の再生に取り組んできました。80歳近いお年の宮脇先生。とにかく「現場第一、現場命」の方で荒れた山に入り、高い木にも登り植物の生態を調べていきます。その植林も、ただ木を植えるというものではなく、その土地に自生していた木を探し、その苗を育て自然の森のような状態に植える独特の手法です。これは「宮脇方式」と呼ばれ、それまでは何百年もかかるといわれていた森の再生が、数十年という単位で成功することを証明してきました。今まで世界各国から植物学者が呼ばれ、失敗で終わってきた万里の長城の緑化運動も「宮脇方式」と多くのボランティアの手によって植林活動が行われ、初めて緑化の成果がでたそうです。最近では、日本の企業の中にも、緑化運動に力を入れる会社が増えてきましたが、上部だけのもので終わらないように、こうした意識がもっともっと身近なところから根付いていくといいですね。「鎮守の森を残していきましょう」宮脇先生のお言葉です。