老い支度
散歩コースの途中にあるお宅の前へ、ひたすら目指すバニラ。家人が庭に出てたら、10センチほどの太い骨ガムを頂けるのだ。なので、バニラは毎日のように、このコースを選ぶ。骨ガムゲットは月に約3~5回。しばらく庭の前でご主人と立ち話。バニラは側で、骨ガムに食らいつく。ほとんど食べ残し、家のソファーで、じっくり食う。普段は、15分ほどで食いつくす。ワシッ、メリッ、グシャと、ものすごい力で噛み砕く。が、先日、普段と違って食いあぐねていた。初めてだ。噛む力が目に見えて衰えている。しばらく、かみかみして、唾液でガムを柔らかくしやっと、まるごと口に入れなんとか30分をかけて噛み砕き食した。10年間で、初めてバニラの老いに対面する。予兆は2年前にあった。毎年、春先や秋口に大阪城まで3~4時間散歩に行くのだがその年は、30分ほど歩くと断固散歩拒否。そして次の年も。最近の長距離散歩は、もっぱら四天王寺だ。往復ちょうど1時間。階段の昇降も悩みの種。上りはまだマシだが、下りは前足に28キロの負荷がかかる。調子こいてる時や、僕が家に帰ってきた時などどっどこど~~~っと、イノシシ状態で階段を降り、登る。時々、足を踏み外す。まったく、やれやれだ。バニラの生活場所は、主に2階の居間。いつも家族がいて、お気に入りの、薄ら汚れたソファーもある。が、いつかは足腰が弱り、昇降時に足腰を痛める可能性がある。出きれば、そうなる前に1階に生活の場所を移さなければならない。すると、一日の殆どは一人ぼっち。う~~~~ん、悩む。散歩たんびに、お腹をサポートしてバッグのように担いで降りるアイテムを探すか・・・とにかく悩むより、元気で楽しい13歳を目指そう、と思う。ああ、僕も人並みの犬飼に・・・四天王寺境内で。珍しく、凛々しい横顔。