1/12 ヴォーカル・アンサンブル カペラ 2008/9シーズン定期公演
聖アンセルモ・カトリック目黒教会 16:00~ 主の洗礼の祝日のミサ ヤコブ・オブレヒト:ミサ「カプト」(キリエ、グロリア、クレド、サンクトゥス、アニュス・デイ) "Parce, Domine" / "Salve Regina" (4声) グレゴリオ聖歌:入祭唱 "Ecce, advenit Dominator Dominus" 昇階唱 "Omnes de Saba venient" アレルヤ唱 "Vidimus stellam ejus in Oriente" 奉納唱 "Reges Tharsis et insulae" 聖体拝領唱 "Vidimus stellam ejus in Oriente" 他 朗誦 集祷文、イザヤ書・福音書朗読、叙唱、主の祈り、聖体拝領祈願、終祭唱 <アンコール> オブレヒト? 4声のポリフォニー合唱 ヴォーカル・アンサンブル カペラ 年末に買ってあったチケットです。東京で、プロの音楽家が15世紀のミサ曲を教会で演奏する、というのは流石にあまり多くないので、いい機会だろうと思って行ってみました。 会場の聖アンセルモ・カトリック目黒教会は、コンクリート造りの教会です。目黒駅から徒歩3分程ながら、住宅街や専門学校などに囲まれたエリアで、まぁ閑静と言っていいかという場所。300人程は入るかな?という感じの教会です。まぁ悪くはないんですが、コンクリート造りで、椅子の下にはヒーターも入っていて、と至れり尽くせりな感じ。 この、ヴォーカル・アンサンブル・カペラを聞くのは初めてです。たまたま何処かのコンサートでチラシを貰って、この公演を知った次第。丁度特段の予定も入ってなかったし。 内容は、ヤコブ・オブレヒトという15世紀フランドルの作曲家によるミサ曲「カプト」を中心に、実際のミサの形式で、入祭唱などをグレゴリオ聖歌で補い、聖書朗読等も朗誦で行って演奏する、というもの。但し、「ミサの形式」とは言いながら、実際のミサではないので、司祭が式を執り行うわけではなく、会衆による答唱もなし、勿論聖体拝領などもなし。......まぁ、こちらもクリスチャンではないので、その方が気が楽と言えば楽なんですが........ 演奏の良し悪しは........正直、こういう音楽を生で聞くことは殆どないので、判断出来ないといえば判断出来ないんですけどね。 女声3名、男声6名による、全4声の合唱ですが、非常に良く合っていて、綺麗に聞こえていたのは間違いありません。発音も悪くないと思います。十分聞き取れるものでした。 いや、実際、本当に綺麗な合唱でした。合唱のみによる演奏で、一切器楽は(オルガンも含めて)入りませんでしたが、過不足無く、会場に十分な声量で、雑味なく、将に少数精鋭という感じでした。 ただ、まぁ、素人が難を言えばですね、思うに、非常に綺麗なのはいいんだけれど、少々何かが足りないというか...............敢えて申さば、ですが、教会で、ミサ形式でやるならば、ミサですから、本来は素人である会衆が受け答えたりするし、朗誦だって日本語でやる可能性が高いと思います。(第2バチカン公会議以降そういう方針が主流になってる筈)この演奏は、如何に綺麗に演奏するか、を追求した演奏と言っていいと思います。それはそれで素晴らしいのですが。 「お前は音楽を聞きに行ったんだろう?」と言われればその通りなのですが、でも、教会で、ミサ形式で、と言われると、ちょっと違う物をイメージしているのでもあります。実際、欧州で普通にミサなどを隅っこで見学していると、今日の演奏のように綺麗には歌われませんから。その意味では今日の演奏、とても綺麗で素晴らしい出来ではあるのです。そうそう聞けるレベルではない合唱だと思います。それは間違いないんですが..... 難しいところです。勿論、偉そうなこと言える訳じゃないんですけどね。でも、やっぱり、すんなり帰っては来られない感じではあるのです。いけないわけでは全く無いんだけど。