2/11 新国立劇場 バレエ「こうもり」
14:00~ 新国立劇場 4階左脇 ベラ:湯川麻美子 ヨハン:山本隆之 ウルリック:福田圭吾 テノール歌手:日浦眞矩 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 指揮:デヴィッド・ガルフォース 2002年以来、もう10年やってる演目なんですね。でも、実は新国立劇場で観るのは初めて。以前、年始だったかのガラ・コンサートで4場だけ観たことはあるけど。それと、一昨年ウィーンで観てる筈なんですが、何せ飛んだ日に観に行ったので、前半は覚えてるんだけど後半記憶がない....(苦笑) 確かロージェの後ろの席だったし。 大体がバレエはあまり真面目に観に行ってないので、ダンサーの良し悪しもよくわかんないし。 そうは言っても、やっぱり観れば面白いのは、何より全篇是ヨハン・シュトラウスづくしだから。前後半、休憩入れて2時間なので、正味1時間半くらいなんですが、全て「こうもり」原曲とその他のシュトラウスの音楽からの編曲で出来ているので全く飽きる暇がないんですよね。 舞台も面白い。元々技術を披露して大向こうを唸らせるタイプのバレエではないから、その分ストーリー性を観るので、それはそれで面白いし。原作のコミカルな感じは活かされていて、尚且つ「大人」で「お洒落」な舞台。原作の方はあまり「お洒落」ではないから... 山本隆之は、男前ですねぇ。まぁ、男性のダンサーってのは大抵男前ではあるだろうけれど。 音楽的には、まぁ、シティフィルですから、ものもバレエだし、こんなもんでしょう。あまり多くは期待してないし、むしろあまりあれこれ表現を工夫し過ぎてしまうとバレエにならないですからね。 但し、年末にエッティンガーの「こうもり」序曲でブーイングした連中はちゃんとブーイング飛ばしに来たんでしょうね。取り立ててウィーン風でもなく、さりとて工夫している訳でもなく、そういう意味ではあくまで「凡庸」(というのは酷だとは思うけれど話の流れ上)な演奏を見逃すなんて甘いことをまさかなさらないですものねぇ。でないと筋が通らないというもの。あれを受け入れないならば、きちんと他のものもちゃんと批判しろよなと。ダブルスタンダードとか認めないからな、俺は、と。まぁそう思う訳ですが、きっとそんな批判精神はありはしないだろうから、期待してませんが。 その話は脇に置いて言えば、十分面白かったと思いますよ。 そういえば、観てて思ったのは、ああ、ウィンナ・ワルツはバレエにならないのね、ということ。勿論ワルツは沢山出て来るのだけれど、そこで踊っているのは決して「ワルツ」じゃないんですよね。「ワルツ」らしいのは最後の最後のとこだけなのだけど、あれも、決して「ワルツ」にはなってないんですよね。あの、微妙にリズムが揺れる、あれではない。あれは多分、バレエとしてはああなってしまう、ということだと思うんですけれど。 ところで、あまり真面目に観てない自分としては、もう一つピンと来ないんだけれど、日本のバレエのレベルというのはどんなもんなんでしょうか?こういう演目観てると「面白いじゃない」と思うし、客の入りは不思議に良くないけれど入ってない訳じゃないし、オペラよりよほどいいのかしら?とも思うのだけれど。どうなんでしょう?教えて、えらい人! (お客は3、4階がガラガラ、なのに1階は満席に近いという不思議な状態。ボリショイと重なったから、とかあるらしいのだけど....)