3/25 アンドラーシュ・シフ
彩の国さいたま芸術劇場 音楽ホール 15:00〜 右手中程 モーツァルト:ピアノソナタ第17番変ロ長調 K.570 ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番変イ長調 OP.110 ハイドン:ピアノソナタニ長調 Hob. XVI:51 シューベルト:ピアノソナタ第20番イ長調 D959 <アンコール> シューベルト:3つのピアノ曲D946-1, 3 バッハ:インヴェンション 第1番 BWV772 / 第8番 BWV779 ベートーヴェン:6つのバガテル op126-6 バッハ:パルティータ第4番 〜 サラバンド バルトーク:ハンガリーの旋律による3つのロンド 第1曲 ピアノ:アンドラーシュ・シフ というわけで、もう2週間前の話ですが、シフのリサイタル、最後の一つ前のソナタ集の方。 もう旧聞に属する話だろうし、簡単に書きますが、結論から言うと断然こちらの方が良かった。 23日に聞いた「最後のソナタ集」であった、「え?」「あれ?」と思うような違和感が殆どなかった。バランスが悪いな、と感じることは殆どなく、フレージングに違和感を感じることもなし。まぁ、ミスタッチはあるけれど、「あー、そういうことあるよね〜」というレベルの話。 シューベルトは断然良かった。個人的にはD960の方が好きな曲ではあるけれど、シフ自身「こちらが好き」と語るD959の方がいい演奏で、どっちか一方だけ聞けるとしたらこちらの方を選ぶ、そんな演奏。 これはベートーヴェンも同じで、ベートーヴェンの場合はやはり曲の構成がop111より一枚上手かなぁと。 例によって休憩なし。まぁ、そういうプログラム組んでやるのは演奏者の自由といえば自由だけれど、お客の方の集中力が保たないと思います。やっぱり。黄昏の序幕と第一幕続ければそりゃ2時間にはなるんだけれど、正直、こういうプロを聞き続ける方がしんどいんですよ。幾らいい音楽であっても、ね。少なくとも私は、いいピアニストである限り、ピアノリサイタルの方がオペラよりも継続して集中力を求められるので、疲れます。 その上にこのアンコール! 悪いとは言わないけれど、蛇足というのは言い過ぎにしても、なくても構わなかったと思います。その程度にはいいシューベルトのソナタでした。