7/28,29 東フィル定期公演 (第1002回オーチャード定期, 第1003回サントリー定期 2024年7月)
7/28 オーチャードホール 15:00〜 3階正面 7/29 サントリーホール 19:00〜 ピット席 モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466 <独奏アンコール> ドビュッシー:前奏曲集 〜妖精の踊り(7/28)、亜麻色の髪の乙女(7/29) ブルックナー:交響曲第4番 変ホ長調 WAB104 「ロマンティック」(ノヴァーク版 1878/80年第2稿) ピアノ:阪田知樹 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:ダン・エッティンガー もう7月も終わり..... いろいろ聞いてはいるんですよ。書いてないだけで。おいおい書いてきますけど、気力を奪うような暑さ.....そしてその割に忙しい......忙しいからスチャラカしてたりするのですが.............ま、ともかく。 東フィルの定期にダン・エッティンガーが来るのは久し振りだと思います。今回はアマチュア団体でも振るので合わせ技で呼んだんですかね。しかし.......4番ねぇ........... とはいえエッティンガーなのでいろいろ調整してサントリーの方も行けるようにしました。さて、どうだったか? モーツァルトは2曲しかない短調のピアノ協奏曲の20番の方。そういや最近聞いてなかったので久し振りです。独奏は阪田知樹。またか.......いや、ダメなんじゃないですよ。ただ、特段求めてるつもりはないのによく遭遇するなぁと。1月にリサイタルを安いチケットで聞いて(すんませんね....)、3月には東フィルとバッティストー二の文京シビックでの演奏会でラフマニノフを聞いて、で、今回7月。しかも定期演奏会なので2回...........いや、追っかけじゃないのよ?全然。でも、よく見掛けるのは確かですね。演目も多彩だし。 実際、場内は、追っかけ系の妙齢の御婦人方が少なからず。それと、人のこた言えないんですが、妙齢の厚かましそうなおっさん多数。前者はまだしも後者は私の嫌いなパターン。ま、いいけどな。 協奏曲の話。 オーチャードとサントリーとでは聞いてる場所がまさに真逆、共通点は唯一安い席、というだけなんですが、全然違うところで聞くのでこれはこれで面白い。で、今回はオーチャードが先になったわけですが、オーチャードで聞いて思ったのは、違和感。 エッティンガーの振る東フィルは、ピリオド的なアプローチと言ってよかったと思います。どういうところが?あまりレガートに聞こえず、デュナミーク、というよりはむしろダイナミズムの振幅を大きく取ったスタイル。強弱が非常にはっきりするのですね。一方、阪田知樹のピアノはというと、至って普通と言ってよいかと。普通というのは、ブランドこそ確認しませんでしたが、普通のコンサートグランドを普通に弾いているので、格別ピリオド的なアプローチとは感じなかった。その結果、特に1回目は、オケとピアノがちょっと合ってない感じがしたのですね。この辺は、オーチャードホールというのもあったのかも知れないとも思わなくもないです。2回目のサントリーでは、基本は変わらないけれど、聞いてる場所の違いもあってか、オケに関してはそれほどピリオド的アプローチ感は強くなかった。見てると、完全ノンヴィヴラートという訳でもないようだったし、そんなにぶつ切りでもなかった。ん?まさかオーチャードでは音符の終わりが聞こえなかったということ?どうだろう?それだとよろしくないですけどね。一方のピアノ独奏は変わらず。安定感があります。こちらの方が調和して聞こえたのは確かです。 アンコールは、両日共ドビュッシーの前奏曲集から、オーチャードは妖精の踊り、サントリーでは亜麻色の髪の乙女。モーツァルトにドビュッシー.....まぁ、合わなくもないかなと。特に亜麻色の髪の乙女は、合うよね。 後半がメインであろうブルックナーのロマンティック。おっさん達の方のお目当て(笑) 実のところ、あまりこの曲は聞いた記憶がありません。5番とか7番とかの方が記憶に残ってるんですよね。昔は、ブルックナーというとまずこの曲から、みたいに言われていたものですが...... で、ですが。うん。サントリーで聞いて、あ、そうか、と思ったのですが、私、多分、金管が嫌いなんですよね....... マーラーも好きじゃないんですが、今回ブルックナーを2日連続で聞いて、しかも2回目はサントリーのピット席だから、指揮もオケもよく見えるんですよ。で、エッティンガーがやりたいこともなんとなくわかる。そう思って聞いていて思ったのですが、まぁ、正直、これ、つまんない曲だなぁと.....ブルックナーがつまらないと言ってもいいのかも知れないですが........ ま、与太話なんですがね。 今回聞いてて思ったのですが、やっぱり、少なくともこの時期のブルックナーって、センスないな、と思うのですよ。まず、金管が厚すぎる。今日の編成で言うと、弦五部が14-12-10-8-7で51人、木管が8人で、金管は13人。で、ホルン5本、トランペット4本、トロンボーン3本、チューバ1本。オリジナルより厚いのはあると思いますが、それにしても。ただ、これが凄く特別なわけではないと思うんですが...... 改めて聞いてて思うのは、まず、木管の使い方が下手なんですよね。すぐ金管に旋律吹かせようとする。木管を上手く使わない。それ以上に弦を上手く使わない。旋律よりも下弾きみたいなのが多い。で、一方、トロンボーン使い過ぎ。考えてみると、これ、マーラーにも通ずるところがあるんですよね。 それと、展開。聞いててまずパウゼが多い。パウゼが多いだけじゃなくて、静かに止まると、「あ、次、爆音くるのね」と見えてしまって、その通りになるから、途中からもう可笑しくなってしまう。5番以降はそこまで鼻につかないけれど、この曲は、もう.....意地の悪いこと言うと、ブルックナー好きなおっさん達って、こういうのがいいんですかね。すぐ爆音くるし。あと、ブルックナー全般にですが、最後が爆音なのね。これもマーラーにも通ずるのかも知れないですが、ね。 なんかハンスリックってこういう感じだったんですかね。でも、なんとなくわかる気がします。ま、私としては、やっぱりブルックナーってつまらないっていやぁつまらないのかな、と。 演奏としては、よかったんだとは思います。緊張感は持続していたと思うし、金管も含めて決して悪くなかったと思います。曲が悪いかなぁ......