|
カテゴリ:カテゴリ未分類
国外にいるといつも感じることだけど、 お正月の三ヶ日っていいなあ、ほんとにいいなあ、と思う。
特にアメリカには振り替え休日というシステムも公務員関係以外にはないし、クリスマスとニューイヤーが今回は日曜だったため、余韻もへったくれもない その日のみの祝日、という形になった。イタリアでは12月26日は聖ステファノの日で祝日。 第一エピファニア(主の御公現の祝日)までは 続けて休むところが多い。 イタリアばんざい。 大晦日に雪降る中 最後まで買い出しに走った私。 夜のカウントダウンパーティーに 夫の友達(豪邸に住んでいる)に呼ばれて、 じゃあこれでも着ていくか...フォーマルな黒のワンピースを着ようとしたら夫が言った。 Vai a funerale? 思いっきりの嫌みにすっかりげんなりして、いいわ、それなら行かない。 最初は気軽な服装でいけばいいやと思っていたのに、 小梅にクリスマスの深青のドレスを着せて、 夫が嫌に張り切って半ばスーツ姿のように着飾っている。 伊織は普通にセーターとジーンズ。 バーベキューパーティーやピクニックじゃないんだからな。 だけど、外の零下にあわせた冬用の厚手の生地のドレスは意外と持っていない。 結局私一人、行くのはやめた。夫の意地悪な言葉が嫌だった。 お祭り事が命の夫は 私のことなど放っておいてさっさと子供を連れて出ていった。 どんちゃん騒ぎより除夜の鐘が恋しい。とはいえ一人でポツンと残るのはいかにも寂しい。 衛星放送をつけるとRAIでコンサートをやっていた。アーティスト名がでていないが、これは...多分 Lucio Dalla. 50代とは思うけれど、 穏やかな落ち着いた声で休むことなく持ち歌を次々に繰り広げる、fisarmonica (アコーディオン)を弾きながら。彼は名作 Caruso の作者である。Andrea Bocceli のカバーでイタリア国内だけでなくアメリカでも愛されているメロディーだが、イタリアに古くからある美しいカンツォーネと全く同類の古典的な響きのあるこの歌、現代のアーティストが作った比較的新しいものだとは 長いこと知らなかった。 日本でいえば おやじ、という感じの Lucio Dalla、そのコンサートは彼らしい人間性に富んだ暖かいものだった。観客も一斉に唱和する。 演奏仲間を紹介して、とうとう字幕にも Lucio の名は出ないまま(ナポリでのコンサートのライブだった)放送は終わった。アメリカ、午前0時ちょっと前。 少しだけNYのカウントダウンとお祝いムードを国内の放送に切り替えて見て、 ああでも、Lucio さんの声と音楽にすっかり救われた思いで穏やかな新年を迎えた。 いい演奏だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.01.03 02:40:06
コメント(0) | コメントを書く |