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2006.01.13
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カテゴリ:カテゴリ未分類
卒業式。だって。
小梅のPreschool(保育園)のだ。

アメリカの学校は9月に始まる。 保育園は学校毎に異なるけど、 小梅が通う公立の保育園は9月後半にゆっくり始まった。
ところが、10月中旬になって一通のletterが届く。 公立の高校がnursery classを
高校生の保育実習の一環で開いていて、そこからのお誘いだった。
事前に申込用紙を取り寄せて申し込んであったものの、何の返答もないので2年目も同じ公立の保育園に手続きを取って、週3回午後に小梅は通っている。
スケジュールは...3日とも同じ曜日。 そして朝。
費用は35ドル。 へっ? そんなに安いの? なんで?
実はこれは子供のスナック代。実習のモデルとして集める子供たちなので無料なのだ。
小梅は行きたいといい、夫は乗り気だったので私は運転手を務めた。
朝高校に連れて行き、また2時間半後に引き取りに、その足で午後の保育園に30分前くらいに着いて準備し直し、送った後家に戻ってまた2時間半後にお迎え。

伊織と2人きりの時間も増えるから、その方がいいかと始めたが何だかすごく慌ただしく、忙しくなった。午後の公立の保育園はスナック持参型。いつもお手製であまりジャンクでないものをと考えて作っていた。 今回はダブルスクーリングで小梅はお昼を食べる時間がない。朝学校に行っている間に小さいサンドイッチをこしらえて午後の学校でのスナックにと用意することが多くなった。朝食にミルクやココアを飲んだら午後の飲み物は紅茶や緑茶。スナックが糖分がなければジュースにしてもいいけれど、なるべく砂糖を取りすぎないよう工夫した。

てなことを続けて、だんだん疲れがたまってきたなと思った矢先、卒業式のご案内、というのを受け取った。おー、12週間だけのクラスだったんだあ。高校生の実習用のクラスだもんなあ。半ば肩の荷が降りた思いで、小梅の生まれて初めての卒業式、その案内の紙ををくすぐったいような感覚で読み返していた。

そして当日。夫は休みを取って参加するという。小梅にはクリスマス用に買ったサファイアのように濃い青のドレスを着せてあげた。
実習生のstudent teacherたちは全部で30名。2人の高校生が親と教師のカンファレンスに小梅の発達の詳細を伝えてくれた。 高校生たちは皆 simpaticissimi、なかなか感じの良いしっかりした学生たちだった。
3人の学生が報告書を作成してくれて、そこには小梅がどんなだったか、どんな発達を見せていたか、みんなと仲良くできていたか、きちんと書かれている。
いい子ですよ、4才児としてしっかりしていますよ、と誉め言葉ばかり。
夫は相好を崩しっぱなし。

で、セレモニー会場に。 ステージになっているところにかわいい子供用の椅子がずらっと並べてあって、そこに子供たちは座る。
習ったお歌を身振り手振りと共に歌う...小梅はやっぱり、家ではすごく歌って動くのに、 すっかりもじもじして(内弁慶)ろくに声も出ていなかった。 恥ずかしいんだろうなあ。 わかるよ。自分がそうだったから、君の気持ちはよーくわかる。
でもここアメリカだよ。 好き勝手に自分を解放して、パーっとやってみな。

子供たちは一人一人、カーネーションを渡されて(女の子はピンク、男の子は黄色)、筒状の卒業証書を名前を呼ばれて受け取りに行く。 渡してくれるのは男性の先生。案の定、小梅は無愛想だ。(女性でないと気を許さないのだ、もともと)Thank youも言わずに、むすっとした顔で片手で受け取り、さっと身を返して戻っていった。ガクっ。

セレモニーではスクール時のクラスの様子の写真映像をコンピューターからスライドにつないで見せてくれた。ハロウィーン、クリスマス、折々の機会の子供たちの表情。かわいかった、どの子供たちも。甘い気持ちが会場を覆う。
私はといえば慣れないデジカメで賢明に写真を撮るものの、やはりうまくいかずじまいで終わってしまった。

その後atriumでrefreshmentといって持ち寄りのお菓子やジュースを食べたり飲んだり。普段のクラスの目の前なので、小梅のロッカースペースになっているところに賞状とお花を伊織の小さいバックパックに差し入れるようにして置いておいた。

お祝い用のケーキも食べ、身も心もスイート尽くしで一家族、また一家族と去っていく中、私たちもと帰り支度をすべくバックパックを取りに行くと...エエッ!?

...ピンクのカーネーションが、ない。 花を差し入れていた賞状はそのままある。バックパックの中のファスナーが、こころなしか少し開いている。 嫌な気分だ。
一瞬思った。 デジカメや私の鞄を置いておかなくてよかった。
夫も花が消えたことを告げると、顔を曇らせた。

花が曲がりなりにもその辺に落ちていてはくれまいかと(そうなら誰かが盗っていったと思わずに済む)のろのろ支度をしていると、 クラスの責任者の先生が「あ、これ、子供たちへのプレゼントだったんだけど、あげるの忘れてたわ。 はいこれ。」とギフトパックをくれたのだった。

複雑な気持ちだった。 花を抜き取ってそそくさと帰っていった親の子供は、 かわいいクレヨンセットや星型のポストイット、キャンディなどが入っているこの贈物を受け取ることなく去ったのだろう。でもあの花は、セレモニーのステージ上で子供一人一人に手渡された意味のあるもの。他人のものをその状況で持っていく神経がわからない。自分の子供に何を、どう教育するのだろう。

小梅は夜寝支度をする前に賞状と花を見せてほしいとねだった。
花は? 仕方なく、なくなったことを説明した。 イヤアーーー! 思ったとおり、泣き出してしまった。私もベソ状態になる。ごめんねえ。 小梅はわかるね。ひとのもの、持ってっちゃ駄目だよ。もっていかれた人の気持ち、わかるよね。

小梅は泣くのを止めて私の顔を見て、言った。
そーだ!マミーちゃんに小梅がお花、作ってあげる。そしたらマミーちゃん、泣かないよねー。
薄いピンクとグリーンの紙を持ってきて、テーブルの上で紙をちょきちょき切り、長い茎と短い葉っぱ、ピンクのカーネーションに見えなくもない花の形を作ってのりで茎の部分を、花と茎はホッチキスでチョンチョン、と止めて ハイ! できたよー。

まじまじと娘の顔を見てしまった。この子の心に、こんな優しさと柔軟さが育っていたなんて。

ありがとう。That's wonderful! ほんとー?よかったあ。

この時のことは、きっといつまでも覚えているよ。


そして翌日の今朝に、今度はマミーちゃんが小梅にお花つくってね、とピンクとグリーンの紙を持って来た。

お返しに、ピンクのバラを作ってあげた。

ふたりでにっこり、にっこりほほ笑みあった。
これでみんなしあわせ。








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最終更新日  2006.01.14 07:09:50
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