|
カテゴリ:カテゴリ未分類
一昨日。娘の preschool(保育園)が終わって、その足でミドリちゃんの家に寄ることになっていた。何より、日本の食品を差し入れしてあげたかった。それと憂うつな気持ちに柔らかく対処できるような文庫本を一冊と。
ミドリちゃんと話をして、ちょっと遅めの帰宅になった。普段なら保育園が終わって家に戻ったらすぐ連絡帳に目を通す。たいていは子供が習った内容くらいの簡単な記載だが、その日はコメントが書いてあった。 小梅がクラスメートの男の子に、"I don't like you!" と言ったという。先生は小梅に謝らせて、みんなに親切でいるように諭したと書かれてあった。 ガーン。ショック。しかもこの日に限って、連絡帳の内容に気がつくのが遅かった。 叱る前に、何があったか 本人に聞かなくちゃ。 今日、プリスクールで何かあった? べつにい。 ...クラスの子に I don't like you って言わなかった? おぼえてなあい。 小梅。 顔を覗き込んで、 さらに尋ねた。 マミー シリアスだよ。 クラスの男の子に 好きじゃないって言わなかった? ...うーんとお、おぼえてないんだけどお。 ○○先生が、小梅がそう言ったって知らせてくれたよ。 ちょっとバツの悪そうな顔をして、おぼえてないんだけどお と日本語で繰り返す。 そう言わなかった? ...うーんと、いったあ。 誰に? おぼえてないんだけどお。 どうしてそう言ったの? 小梅、おぼえてなあい。 はぐらかし続ける娘は心なしか、もじもじそわそわしている。キッチンのテーブルに広げた連絡帳に目をやって、先生、マミーに知らせたのおと聞いてくる。 はあ...ため息をつく思い。夫には知らせないと。 何て言ってくれるだろう。 夕食の支度をしながら、帰宅した夫に手短に話して連絡帳のコメントを見せると、 夫の言葉はさらに私にため息をつかせることになった。 In qualche senso, ammiro Koume. (ある意味、小梅をすごいと思うよ) ヘッ? だってそうじゃないか、 好き嫌いをはっきり言ってるなんて。 要するに、小梅は悪くないってこと? 夫の数々の迷言には経験上慣れていたけれど、 ここまで親バカになると、もはやバカ親の域である。...こんなの相手にしてられんわいっ! 結局夫から小梅にこんなこと言ったのか、との言及はあったものの、特にはなんの咎めもないままお風呂タイムに入り、就寝前のベッドタイムストーリー タイムとなった。 毎晩、日本の絵本やおはなしを聞くのが大好きな子供たち。 小梅の気持ちがほぐれるのを待って、またその話を持ち出した。 小梅、誰に言ったの? ...トーマスにいったあ。 どうして? ... 英語でモソモソ、聞き取れないように ブラウン...ブラウン...ブラウン...と言うので、ごめん、お母さん今の小梅の英語わからないから日本語で言ってくれる? うーんとねえ、小梅は、トーマスが頭とかあ、こことかあ(手をさして)、こことかあ、みーんなブラウンだからあ、って いったの。 な、なんだとお!? それで I don't like you って言ったの? トーマス君に? うーんと、それにねえ、トーマス ハンサムじゃないんだもおん。 小梅、聞きなさい。 言いたくないけど、でも小梅だって誰かに、君は黄色いスキンをしているから好きじゃないとか、きれいじゃないからとかって、I don't like you って言われたら、どう思う? いやだあ。 そしてウエエエン... この時になってベソをかき、次の瞬間、 ごめんなさああい。小梅、しらなかったのよおお。泣きながら謝りの言葉を口にした。 わかるよね。 そんなふうに 嫌いって言われたら、とっても悲しいよね。 もういわない、とまだ泣き声の小梅にヨシヨシして、明日からいい子になりなさいよと言って子供部屋を後にした。 夫に事の顛末を話すと、やっと目が覚めたみたいに彼は言った。じゃあ、Mrs.○○(先生の名前)は正しかったのか! ...あほー。(←私の感想) 誰にもね、 その人の肌の色やルックスで 好きじゃないなんて言っちゃいけないよね。 勿論、個人的な好みはあるから好き嫌いを感じることは止められないけど。 それをその人の前で言うと、傷つくよね。 私のそんな言葉に、夫は言葉を選ぶように、 言った。 小梅はきっとこの先、 言われる側になるだろうな。(彼女は日本人の容姿が強いのだ)伊織は(よく見ると日本のマイルドな要素がかなりあるが、顔立ちは夫の血を継いでいる)そうはならないだろうけど。 ぼそっと、でもまた、失言。 Koume non sarà autentica di dirlo... (小梅はそんな事言う資格、無いだろうな) Chi è autentico!? (誰にそんな資格があるのよ!?) 私は強い口調で言った。 ハッとして、夫は訂正した。 Nessuno.(誰にもない。) Nessuno. 私もそう繰り返して、 二人で真面目な視線を交わした。 娘よ。 わかっておくれ。どの人も、オリジナルに神様から造られている。どの人もかけがえのない存在なんだから。そして神様の眼差しは、目に見えない内面の美しさに注がれているのだから。 ほうっとため息をついて、長い一日が終わった。 翌日 保育園に行く前、先生への返事に、またそんな事があったら教えてください、いけないことだと教えましたが 小梅は何が悪かったか忘れるかも知れません、その度 両親から教えますから、と書いておいた。 そして送り届けた時に、先生ときちんと話してどんな状況だったのか知らせてもらった。 クラスが終わって迎えに行った時には、一言、Today it was perfect day for her! と笑顔で言われ、ほっとした。 その日の連絡帳には、Thanks for your support.と書いてあった。 お礼を言うのは親の方だと感じた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.02.04 06:19:30
コメント(0) | コメントを書く |