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2006.02.11
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フランカさん、お手紙読みました。
ええ、今回神様の御導きで、こういうことになりまして。

明るい、穏やかな声で フランカさんは隠棲修道院に発つまでの残りわずかな時間を私とも分かち合ってくださった。ええ、すこうしずつね。トラピストの修道院に話してくださった方がいて、実現する方向に...神父様は御心配なさって、そんなに甘いものではありませんからと言われましたが。身の回りの処分などは、代母を務めた「子供たち」がたくさんになりまして、その方たちが助けてくださいました。おかげさまで何とかこれで、準備が整いました。

フランカさんの御自宅というのは都心の一等地に建てられた、当時まだ年数も浅かった立派な一戸建てである。神父様がハンガリーに発たれる直前、にわか仕立てのコーラスグループを皆で作った際、練習場所にどうぞ、ピアノがございますからと一度メンバーの皆を招いてくださった。 広々とした洋風の居間に大きなグランドピアノが、大きさを感じさせずに置かれているのを見た時、あ、これがフランカさんの世界なんだと改めて息を呑む思いだった。

修道院に身を移されると伺って、あのお家はどうされたのだろうと思いはするものの、 問うべきことではないような気がして フランカさんが話されること以上のことはお訊ねしなかった。 御気持ちの変化などは訊ねた記憶があるけれど、やはり聖職への道を選ばれた人特有の、 ええ、神様に呼ばれたので...というようなお答えだったように思う。 ただ世俗(イタリア語ではlaicaという)の身であった時も、 彼女は幼子のような素直さと、若者のような向学心と、成熟した大人の勤勉さを以ってカトリックの信仰を深めていた。 何事にもきちんと生きる、それがフランカさんの生き方だと他人に感じさせるだけのものを、この人は持っていた。

華やかなフランカさんが修道女に、と大きな選択をされた後、私はアメリカに行くことになって、そこから結婚の通知を送った。フランカさんはまた優しい返信を修道院から送ってくださった。 さらに1年数ヶ月後のクリスマスカードで、 娘が生まれました、ミドルネームにフランカさんと同じ名がつきました、と写真を入れて、お知らせした。 天使のようだと書いてくださった。
また その後、2人目が今度は男の子で、とクリスマスカードなどでお知らせすることになる。 新しく生まれた生命を、共に慈しみ喜んでくださった。

そして夫のドメスティックバイオレンスが明るみに出た時。苦しい、苦しい手紙をフランカさんに送った。彼女は共に痛みを分かち合うように、こんな内容の手紙を返してくださった。
御主人様にもやむにやまれぬ御事情がおありかと存じますが、暴力と伺って一瞬、身が凍るような思いがいたしました。お身体はもとより、貴女のお心の傷はと案じております。

一年後、夫と子供たちと初めて里帰りで日本に参ります、とクリスマスカードに書いて送ると、その後 ああ、家族の絆がそこまでに回復されたのですね、よく頑張られましたね、と労ってくださった。
この頃(か前回)のお手紙に、フランカさんが修道院の庭地の池で魚たちに餌をやっている姿の写真を同封してくれた。

そこには真っ白なバラの化身のような、どこまでも清いフランカさんがいた。
真紅のバラが、純白のバラに変わった。一瞬、神様の御業、という言葉が頭をかすめた。

そして数ヶ月前にクリスマスカードを送った際、 また大変な一年でした、と正直に書き送った後、 そうでしたか、大変でしたね、 でもおっしゃるとおり膿は出してしまった方が良いのでしょう。御子さんたちも大きくしっかりしてこられて、これはお母さんのお手柄ですよ、そう誉めてくださった。
フランカさん御自身の近況として、きれいに多勢に宛てるため印刷された1枚の手紙には、初誓願を成し遂げた、ということと、誓願の時期に患われた乳がんのことが記されていた。
セレモニーの3週間前に癌が発見され、手術、退院、誓願と相成りました。何もかもがトントンと行き、病院生活を通してまた修道院に戻り、神様の御働きの見事さを見る思いがいたしました。

彼女ばかりでなく、彼女のまわりの人たちもみな、すべては神様のご計画、と思わずにいられなかっただろう。
おかげさまで、お医者様も「不幸中の幸い」と言われたように悪いところはきれいに取られ、すっかり良くなりました。どうぞ ご心配なく。

そうは書かれていても、世俗の私には、やはり乳がんにかかられたと伺えば 気が気ではない。私が泣いている時、彼女は共に悲しんでくれた。私が喜んでいる時、彼女は共に喜んでくれた。そんなフランカさんが黙って癌と戦っていることを知り、私はせめて 貴女のことを思い、祈っていますと告げたかった。

バレンタインカードは、アメリカなら誰にでも送りあう。ちょっとした友情や愛情の気持ちを相手に示す、絶好の機会なのだ。

だからフランカさんに、間に合うようにバレンタインカードを送った。ニューイヤーと翌週の日曜日、主の御公現の祝日を祝ったときの教会での写真を4枚混ぜておいて、今年の家族の表情を伝えながら。
そして この家族のためにお祈りください、とちゃっかり御願いごとまで書いておいた。

苦しい状況にある時、他の人たちの目に見えない祈りによって支えられていると感じることが多い。たくさんの心良き人たちの苦しみを通して、贖われるものがあるとも常々思う。
そんな人たちの善意に支えられて、何とか今日も家族は、ある。

バレンタインカードを、みんなに送りたくなってきた。(笑)

ありがとう。みんな、あいしてるよ!





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最終更新日  2006.02.11 13:24:13
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