ひなたぼっこのページにようこそ

、と言っても ほんのささやかなことで、チーズケーキを焼いておきたかった。


バカンツァ(バケーション）も 念願の里帰りもできないまま 8月が駆けていく。


7月も8月も ちっとも落ち着いた時間がとれないで、6月に買い置きしておいた生クリームのパックは とうとう駄目になってしまっていた。1週間前だったか 一応新しいのを買い足していたので、子供たちが父親のところに行っている 今日の夜、ふと思い立って作ることができた。



今日(8月11日）は(書いている今は真夜中で12日になってしまっているけれど） アッシジの聖キアラ(聖クララ）の日。


その2日前の夕食時、伊織にカレーを食べさせながら 固そうな肉なんかは私の口に入れて... モグ。ガチッ！ アレ？

多分東京にいた頃に治療した 虫歯の古い詰め物が... 金属が、取れた。


2日前に歯医者さん通いが終わって、3ヶ月後に会いましょうって 言ったばかりじゃない。(涙)



焦って電話した昨日、受け付けの女性は できるだけ早く、という要望を聞いて言った。 明日の午後１時、空いてるわよ。



そしてまた 今日、舞い戻った。ベビーシッターを急きょ引き受けてくれたサンドラさんに 心から手を合わせる思いで（ありがたや）、子供たちを預けて 病院内の歯科に。



２日前と 同じ若い歯科医さんが出てきて、笑顔で一言。 Welcome back．


ここはインターン制なのか、先生はみな若い。で、担当は決まっていなくて、４本あると指摘された後 ２本の治療は別の人(女性）、そして残りの２本はこの人(男性）だった。 そして意外なことに、彼の方が仕上がりが良かった。詰めた後がザラザラしているのは先の２本の治療跡で、詰め物がツルツルしているのはこの先生の方だった。



さて、この歯科医さん。ドルチェ(甘い）な感じの人だ。 自分の夫のようにタフ（きつい）人間に接してきた私は 内心かなり戸惑ってしまった。悪い癖なのだけれど、夫に手を挙げられ続けた結果なのか 男の人を見ると 女性を殴ったりするのかなあ、なんて疑いが 脳裏をすっとかすめてしまう。

本当に、嫌な癖なんだけど。



またすぐハプニングで戻ってきた私に、穏やか～に ユーモアを加えながら きちんと治療してくれた。
こちらは あんぐりと口を開けたまま、アガ...アガ... アガ...としか応答できなかったけど。（笑）


そして その間中､ ああ、男の人も 手を挙げる人ばっかりではないんだ...と 当たり前のことが当たり前に取れなくなっていた 自分の痛みが、目に見えない傷が 治療されているように感じた｡


何度も詰めた箇所をほんの少し削って噛み合わせを確かめ､ ７回か８回かけて perfect. そう言って奥歯の治療が終わった｡



これで、３ヶ月後ですね。


ウン...受け付けで聞いてね。



治療の用紙を手渡して受け付けの女性に渡したら、彼女はちょっと待ってね、とコンピューターをカチャカチャ。24日が空いてるわね。1時45分にする？ 2時半？
エ!? 3ヶ月後のチェックアップでは...。
ううん､ もう一本 cavityがあるみたいよ。 そう書いてある｡



嘘のように､ 6回目の予約が また入ってしまった｡


また言われそうだな｡ Welcome back. Ben tornata...


初めてイタリアに入って アッシジを訪れ､ その数年後に ペルージャからアッシジを再度訪れた時の あの感覚が Ben tornata だった。 聖キアラの日だった今日､ そんなことをしみじみ思った｡




私はどこに帰れるんだろう...。