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カテゴリ:パタパタと過ぎた日々
、が やってきた。
というのか この前の日曜日(サマータイムが終わって1時間長くなった日だ)、日暮れ時になるちょっと前に 夫が鮮やかな青い車に乗ってやってきた。 新聞や個人売り用のチラシで "日産セントラ 2006 5,500K Blue $9,500 Oversea Moving” と出ていたのを、電話番号を書きとめて夫に オーナーと交渉するよう 頼んだのがずいぶん前。 一度きりしか広告は出ず、とっくに誰かに売れたと思っていたが、意外と「まだavailableだって」と夫は言い続け、 とうとう子供たちの口座からお金を引き出して 買った。 夫の弁: こっちも最初のコンタクトから 2週間ぐらい連絡しなかったし どうかなーと思ったけど。 いろいろ人も来て 交渉していたものの 誰も即金で 9,500ドル払えなかったらしい。 見に来るけど 売れなくて、 オーナーは半ば疲れて、ディーラーに車を売る寸前だったって。 私の質問: で、売る理由は? 夫の弁: 彼、ロシア人なんだ。 今回ロシアに帰ることにして、家も もう一台の車も もう売ったって。 ミンスクって言ってた。 正直な人物かどうか確かめようとしたけど、彼は本当のことを言ってると思う。 うん。本当のことよ。 ミンスク、という特有の市の名前はロシアの一地域と 日本人の私にはわかるし、夫には情報を与えなかったけれど、 oversea moving と売り広告には記してあった。 夫には何もその辺のことは言わずに、うん とだけ応じておいた。 2006年モデルで、マイレージもすごく少ないのにね。 夫の弁: 本当はロシアに 持って行きたかったらしい、この車。 ...多分、移送費がかかりすぎて断念したんだろう。 ディーラーに出向いて セントラの一般モデルを見た時は、Blueというのはダークブルー、アメリカではNavy blue、日本では紺色、イタリアではblu と言われる色しかなかった。 明るい青はありますか、と聞いたら、それは特別仕様のモデルだけ と返された。 近頃 深い、濃い青が気に入ってきた私には それはそれで良かった。高い値段は自分の中で御法度だったから、ま、そうね、くらいに 漫然と聞いていた。 しかし。 夫が乗ってきたこの車。 派手だぞ。 手に花束でも携えてきたら、王子様登場かと思うじゃなーい。 (←勿論そんなことは しない。でも彼はアピールとルックに力を入れる男だ。プレゼンテーションの見栄えにこだわる辺りは すごくアメリカ人。いや、イタリア人でもあるな。) ブルーはブルーでも、 コバルトブルーと表現される 青だ。 Soveratoの海の色...と 一瞬 頭の中でそう表現してしまった自分に ちょっとだけ 動揺した。 Soverato というのは、カラブリアの カタンザーロ地域沿岸の 海がイタリア一 青くてきれいと言われている(とはカラブリア人の意見)市の名前。 ここに夫と共に訪れて 海で プ~カプ~カ 浮いて漂っていた2人だった。 というのも、塩分が強いのか、 ものすごく身体が浮くのだ、その海に入ると。浮力が強くてデングリ返りそうに なるほどに。 夫と知り合わなかったら、間違いなく Ventimiglia の海の色、とか、Costa d’azzurro (Cote d’azur - コートダジュール)の海の色、と表現していたはずだ。 そんな事を思い巡らされる この色は、なんだか縁あって 私の元を訪れてくれたような。 ちなみに、夫は(私もそうだが) いい買い物だったと感心することしきり。 そうなのだ。去年の今頃に最新モデルとして製造され、マイレージも6,000K 以下。 現実に 新車の価値のまま 半額で手に入ったのだった。 そして燃費が35マイル/ガロン、と 優れている。 少しはエコロジーに貢献しそうと思って この燃費の良さから セントラを挙げたのは 私だが、 入手や登録、保険の加入と一切の手続きをしてくれた夫は 偉く感心していた。 去年、トヨタのプリウス買えば、と言ったら 首を横に振って 本人希望の 白のジャガーにしたのだ、彼は。 美意識にこだわったらしいが、値段も高い。 ところが住んでいる この町に ジャガーのディーラー店が オープンしたため、夫にたがわず ジャガーを乗り回している人たちの多いことったら。 この町でジャガー車を目にするのは わりと頻繁で、でも現実には 9,500ドルのキャッシュを払える人はいなかった... ってところが、アメリカ人の経済観を示しているように 思える。 トランクを 嬉しそうに開けて見せる 夫に、聞いた。 何でこんなとこに スピーカーが付いてんのよ? オーナーだった彼、 スペシャルエディションで こういうのを付けたんだ。 CDも 6枚チェンジャーで。 僕のジャガーにも そんなのないよ。 それに、保険も 僕のジャガー車より この車の方が高いんだ! ... あっ、そ。 どうもね、アリガト。 とお礼を 夫に言っておいた。 ロシア人に 助けてもらった、そんな気持ちがして オーナーだった男性の行く末が 帰国後うまくいきますように、と心の中で願っている。 アメリカ生活で こんな関わりが生まれるのが、何となく嬉しい。 ミンスク...どこに位置するのかな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.11.04 11:34:34
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