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カテゴリ:Italian Teacher
タイトルからは想像しにくいでしょうが、今日の日記はイタリア語と日本語の文法の共通点。
在住の ここアメリカ、某田舎町でミドルスクール(ジュニアハイとも言いますな);中学生にイタリア語を教え始めて、学年の半分くらいにきた。 で、基本的な文法や表現を 彼らは習うわけですが。 英語圏の学生が 混乱するのが、 Mi piace... または Mi piacciono... の文。 英語では、I like... 当然、主語は 「私」; I。 でもイタリア語では、好きになる「対象」が 主語の形を取る。 (フランス語でも同じ。ça te plait... - iの点部分はちなみに山記号 - で文としての主語は it にあたる。) 日本語でも実は、 イタリア語と同じ構造を取っていたりする。 君が好き! 好きになってしまうのは「私」。対象は、君。 この文の感覚は、 思うに 好きな相手や対象(人に限らないですね; ハムスターが好き、 本が好き、 旅が好き、 ケンカが好き... ン!?)に気持ちの上で 主体性を譲っているんじゃないかと思う。 好きな対象に敬意を払っているというか、気持ちの上で負けている(笑)というのか...。 これが英語(米語)の感覚では 好きな対象は オブジェクトであり、ターゲット。 (爆) 私が好きになってあげてんのよ! という感じに聞き取れてしまうのは 私だけ? 主体性というか、主人公は自分だ、 と言い切る感覚が そこにはある。(ような気がする。) さっすが~、アメ~リカ~!(と 思わずおちゃらけてしまう私だ。) だから11才の子供たち、 みんな間違う。 Mi piace の文。 mi=me(私に)、piace(likeだけど主語はhe/she/itの三人称)が どうしても理解できないらしい。 君が好き! ...いい日本語だ。 ウットリ。 ペルージャにいた頃、asaさんと Parli! というイタリア語表現で話したことがある。 フランス語でTu parles! と教わった頃のこと、日本語で「ほざけ!」っていうのがあてはまるなあって思った。 asaさんは言った。でもねえ、ほざけって...今時そんな日本語、使うのかしら。 まあでも、この Tu parles! 言葉のニュアンスが 「何 言ってやがんでえ!」(なぜか東京下町風)を帯びていて、ほざけ! という日本語が頭をよぎった瞬間、 なにかスッと言葉がほどけて自分の中に吸収できた気がしたのを覚えている。 Mi piace... (または Mi piacciono...)の形も そんな感じ。 君が好き!(くどい) は ちなみに Mi piaci tu、もっと一般には 主語の tu (you) を省いて Mi piaci. イタリア語と日本語って、何となく近い。 だからかな。いつも親しみがわく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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