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カテゴリ:家族
歯科助手の女の子は、続けた。
Mr.○○(夫の事だ)は 私が学生だった時、うちの高校でイタリア語を教えてたのよね。 はい、そうです。 イタリア語とスペイン語、数学も一クラスと あと課外で音楽指導もしてました。(私の頭の中) エイジャン(私の事だ)と結婚してる先生っていうのも めずらしくて。 あなた、韓国人、中国人? 日本人です。(返答) それでね。 Mr.○○は 一番 かっこいい先生たちの一人だって、学生の間で評判だったのよ。 ...ハアアアア? (声なし。目でギョッとした私だ。) そこへ ドクター D が茶茶を入れた。 なんだ? 誰が、何を教えてたって? 彼女の旦那さん。 うちの高校でイタリア語の教師だったの。 あなたたち、どこで知り合ったの? イタリア。(返答。 正確には、 ペルージャ駅だけど) え、あなたイタリア語、 分かるの? ハア。(返答) Mr.○○は今何をしてるの? 食品関係の会社で、働いてます。(返答) あなたは何してるの? ...イタリア語教えてます。 今年だけ。(返答) えー! あなたもイタリア語教えてるの? どこで? ○○市の○○校で。 今学年だけです。(強調) ...と、何か調書を取られているような問答で、 彼女は 夫の事を やたら誉めていた。 どこで相槌をうっていいのか わからず、夫の箇所は ひたすら息を詰めて聞いていたが。 Mr.○○は 誰にでも親しくて。 ...あ、そー、そーです! そこだけ、激しく同意した。 だれにでも話しかけていくタイプだ。 だから私とも親しくなったのだ。 ついでに、私と結婚してしまったのだ。 フーン。 何やら 呑み込めたか呑み込めないか わからない風で、ドクター D も彼女の言葉を聞いていた。 一年前の夏、 ヒョッと私の顔を見つけて(私は自分の歯の定期検診に来ていた)挨拶を交わした際、ドクター D と 家族が壊れかけてる最中で、なんてチラッと話題に出たことを私は覚えている。 ドクター D も覚えているだろうが、 その後 離婚問題が解消して 私と夫が元の鞘に収まった事までは 事後報告していない。(というか、報告する間柄でもなかろう。) 小梅が X線を撮るため、助手の彼女と小梅を残して診察室から一歩出た廊下で。 私の担当の歯医者さんがやってきた。 目新しく 細い顎鬚を 生やしながら。 ドクター D は彼を見るなり、ハハーン。 その彼も、私に目で挨拶しながらも 喜びを隠せない風で 自分の彼女の存在を話していた。 She likes it.(髭が好きらしい。) ドクター D はまた、アモ~レ~、の口調で、男には女が必要だよなー、そういうもんだよなー、と私の担当医を さらに にやけさせるような事を喋くっていた。 50代でこういう会話を続けるのも、 また別の忍耐がいるような...。 ...しっかし。 どういう歯科なんだ、ここ。 ハートが飛びかいまくってるぞ。 実習生と研修生が多くて 若者ばっかりのスタッフで。みんな口を開けば My boyfriend だの girlfriend だの。 既婚者のみが そんな甘い雰囲気を出していない、という感じだ。(←現実を知っている) 小梅の診察が済み、後日 伊織のそれも済み、私の予約までは 2ヶ月あって やれやれ、と思った矢先。 ハイ、かっこいい先生。 と、一部始終を話した 数日後の昨日、夫は言った。 僕、今度の金曜日に 歯科の予約入れたから。 行ってくるねっ! オイオイ、今度は Mr.○○まで あの歯科に 再登場かい。 ...髭は生やさないで、行ってきてね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.05.20 13:31:03
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