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カテゴリ:考える日々。。。
皆さん、最近面白い本、読みましたか
本はダイスキで、かなり読書家の私ですが、 ここ10年くらいでしょうか。 【小説を読む楽しさ】からは遠ざかっておりました。 思い返すに、 理想の自分自身と現実の乖離が激しい時ほど、読む本は、 いわゆる Know-How 本や、自己啓発的、心理的、セラピー的な内容のものになるようです・・・。 私が小説を夢中で読んでいた時期は、10代と20代です。 10代は、まだ見ぬ世界(海外とか・・・)に惹かれ 20代は、ストーリーの面白さに惹かれておりました。 その時期というのは、悩みなんてなかったし、 ストレスって何のこと~という感じでしたね。 最近、また小説を読む気になったのは、私自身にとってはよい兆候です。 ストーリーを追う快感をじっくり味わうココロの余裕ができた、ということ。 おくればせながら 桐野夏生氏にはまっています 多くのヒット作のある桐野氏著作の中で、これ!と選んだのは【グロテスク】。 おそらく、97年に実在した「東電OL殺人事件」がベースになっている、というところで興味を惹かれたのだと思います。 当時はずいぶん話題になりましたし、読まれた方も多いかと思います。 この小説には、4人の女性たちが登場します。 語り手のわたし わたしの妹、世にも稀なる美貌を持つユリコ Q女子学園の同級生、頭のよいミツル Q女子学園の同級生、冴えない和恵 4者それぞれの内面の葛藤が 手記や日記、という形で現れますが、誰一人として幸福を手にできない。 その苦しみのもとをたどっていくと 彼女たちの苦しみが、男性社会の中でもたらされたていることに気付きます。 生まれ持っての美を前にしては、必死の努力もまるで歯が立たない。 ・・・という苦しみが、切れ味の鋭い刃で裂かれるような筆致で書かれています。 女性の誰もが「こんな女にはなりたくない。共感したくない。でも、わかるんだな・・・」 と、思わずにいられない。えぐり取るような内面描写に圧倒されます。 美貌というものが、これほどまでに力(パワー)を持つものなのだろうか・・・ 読み終えて、深いため息が漏れました・・・。 【東電OL殺人事件】・・・当時39歳の女性が、渋谷区円山町のアパートで絞殺死体で発見されました。この女性、慶応大学経済学部卒、東京電力に勤務する、いわばエリートです。そんな彼女がなぜ殺されたのか・・・。彼女は、昼間はOL、夜は娼婦という二重生活をしていました。 【グロテスク】を読んで、私は【ミスター・グッドバーを探して】という映画のことを思い出しました。この映画でも、似たようなシチュエーションが描かれています。最後に殺された娼婦は、昼間は教師という仕事に従事していました。 人が堕ちていく時って、アッという間なんだな、と思います。 なぜ、そうなったのか・・・という心の軌跡は、当事者しかわかりません。 当事者にすら、わからない場合の方が多いでしょう。 「なぜ、こんなことをするのか」わかっていたら、それはやめられるはずですから。 決定的な要因とは、気持ち(感情)が支配するのですよね。 何のために生きるのかなぁ って、思うことありますよね。 空しさ 虚無感 ここにいる無意味さ ・・・などにとらわれて、生きることが面倒くさくなる。 そんな時期が確かにありました。 そうした時期、私の周囲にはお説教してくれる人がいました。 お説教なんか聞きたくもないし、もっともらしい理屈に心は反発するばかり。 この人から言われたくないよ! って思う人から、そうした声は発せられるので、よけいに反発したくなるのです。 優しくしてほしい むちゃくちゃ愛されたい ・・・って思う時もそんな時です。 そんな時、振り向いてほしい人からは振り向いてもらえない。 なぜだかわかりますか お説教するのは、私自身からの声。 到達したい場所にゆき着くために目標をもつことを課せ でなければ、自分の達成感や満足はないでしょ? そんな自分を心底愛せますか? という内面からの声なのです。 自分自身を心底愛することができたら、あなたを心底愛する人が必ずあらわれます 自明の理 人生という長い旅は、究極のところ 自分自身を心底愛するために次々と現れるハードルを越えていく道のり のことなのだと思うのですよね・・・。 【グロテスク】から、どんどん筆はすすみ、またもやこんな結論が導かれてしまいました。 本当に不思議。 指が勝手にキーボードを叩いているのですからねぇ。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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