vivienのＨＰ

時間の経過と共に、お互いに、冷静さを取り戻してきた。


１．大家には、契約更新せず、出ていく、と伝える。

２．ジャンさんには、会社売却の価格提示をする。


この２本立てで、大家には圧力を加え、どんな反応が出るか。

大家も、満額自分の要求が通ると思って２倍価格を提示したのではないだろう。

だから、今この時も、我々の反応がどうでるか、緊張しているに違いない。

じらすだけ、じらして、約束の日に、回答せず、遅れて、回答しよう。

ジャンさんの方は、私達の言い値でＯＫしたら、それは、それで、その時、考えよう。

交渉されたら、まぁ、話を聞いて、大家の動きを見ながら、断る時、断ろう。



チャン　　神様が、我々をどうしたいか、決める、って事です。


補足対策として、チャンのいとこを雇う事にした。

このまま、ここで続けるにしても、新しい開発案件で、
別の場所に工場を持つにしても、私達２人では、難しい、って事を感じたから。

今、ニュージーランドに居るという、いとこは、半年後来る、と言った。

チャンは、『少し、気が楽になれる。』と言って、ようやく微笑みが見えた。


私が考える事は、最悪の事態だった。

今の会社が無くなって、開発案件がぽしゃるケース。


それは、覚悟だけでよかった。



チャンの言う通り、神様が、その方がいい、と思えば、
そうなるんだろう、と思う。



ダメかも知れない、と思えば、何も出来ない。

出来るかも知れない、と思って、前に進むしかない。


いつでも、博打のような人生。


虹橋空港は、Ｇ２０の影響で、入口が規制されていた。


vivien　　　大事な事は、お金じゃなくて、命。
　　　　　　命は、何よりも優先だから。

　　　　　　正月に日本へ帰った時、弟が頭が痛い、と言ったのに、
　　　　　　時間が無くて、連れて行ってやれず、私は中国へ戻ってしまい、
　　　　　　その３ケ月後に、突然死んでしまったんだ。

　　　　　　ずっと、後悔している。
　　　　　　あの時、私は仕事を優先した。
　　　　　　優先を間違えたんだ。
　　　　　　
　　　　　　もう、間違えちゃいけないんだよ。

そうチャンに言いながら、車を降りて、振り向かずに、空港に入った。


羽田に到着し、地震の影響で、ダイヤが乱れている電車で家に辿り着くと、ルナが居た。

私が居ない間、学校へは行かなかったが、ご飯は炊いて食べた、掃除もした、と言った。

　　　　　　　
『成長したね。』と答えて、”神様が決める”と、やはり思ったのだった。