モダンタイムス(伊坂幸太郎)
モダンタイムス価格:1,785円(税込、送料別)自分のマンションに見知らぬ男。彼は浮気を疑った妻がよこした拷問屋だった!!職場では失踪した同僚の仕事を引き受けさせられ、その仕事をするうちに5年前のある中学校での事件とつながっていく。後から人のレビューを読んで魔王の続編ということを知ったが、もう何年も前に読んだっきりなんで、読んでる最中はまったく気がつかず(笑)所詮私の読書力なんてこんなものですできれば続けて読みたかったかも。。。とは言え、そんなこと知らなくっても全然問題なく読めます。実際「魔王」から50年後らしいから、登場人物もほとんど重なってないし、まあ、超能力っていうのが唐突に感じたけど、そこが「魔王」を読んだ後ならニヤニヤできるって感じかな~伊坂幸太郎さんは大好きな作家さんです。ただ、今まで洒落てるな~と思っていたかわいた文体が今回は何故か気になった。エスプリのきいた会話も、拷問でさえサラサラ~って書いちゃうところもあんなに好きだったのに、何故か今回はちょっとついていけなかったかも。自分が歳をとってしまったのかしら~(泣)あっ、でも物語はすごく面白い!とくにはじめの方はどんどん話が展開していってどうなるのか気になる気になる!播磨中学校の事件とつながりだしたところからは事件の真相の奥にあるものに対する恐怖なんかが感じられて、確かに「魔王」に通じるものがあるかも。(いや、「魔王」は内容ほとんど忘れちゃってるんですけどねwww)ここから話の内容に触れていますので未読の方はご注意くださいただ、それだけにもっと「目に見える」決着が見たかったな~永嶋との対話は話としてはもちろん納得できるけど、でもなんだかな~って気分にも。。。「国家」とか「システム」とかあまりに抽象的すぎておバカな私にはピンとこない。あんなにスピーディーに展開していたのに中盤からは急にブレーキかかって読んでいてもちょっとだれてきたのも残念かな~でも、解決としては気分爽快とはいかなかったけど、後日談(?)での拷問屋の嬉しい復活など読後感は「魔王」よりだいぶ良かったです。それに、あんなに怖いと思っていた主人公の妻もどんどん素敵な女性に見えてくる!拷問屋の岡本さえも!(笑)伊坂作品の登場人物って血が通ってなさそうで、少々記号的な印象を受けるのに不思議と魅力的だな~と思います。(2010.9.7読了)