オロロ畑でつかまえて(荻原浩)
オロロ畑でつかまえて 荻原浩(2007.4.4読了)神様からひと言(→感想)が思った以上に面白かったので、他の作品をと思い借りてきました。人口わずか三百人。主な産物はカンピョウ、ヘラチョンペ、オロロ豆。超過疎化にあえぐ日本の秘境・大牛郡牛穴村が、村の起死回生を賭けて立ち上がった!ところが手を組んだ相手は倒産寸前のプロダクション、ユニバーサル広告社。この最弱タッグによる、やぶれかぶれの村おこし大作戦『牛穴村 新発売キャンペーン』が、今始まる―。第十回小説すばる新人賞受賞、ユーモア小説の傑作。 (「BOOK」データベースより)私は「神様からひと言」の方が面白かったかな~こちらの作品も、「神様からひと言」と同様のユーモアたっぷりのお話です。でも、この作品を読むと「やはりデビュー作だよな~」とも思います。面白くないことはないんですよ。いや十分面白いんですけど。。。「神様からひと言」も終盤の展開にかけ足感が感じられましたが、「オロロ~」の方はさらにその感を強く持ちました。えーと、ミステリではないのでどこまで書いたらネタバレというのか心配です。ちょっとお話の結末に関わることを書いてますので、未読の方は以下注意お願いします。。。*****************************************前半がちょっとまったりしてるんですよね~村の状況とか登場人物の紹介とか、だいたいありきたりな展開なので、そんなにページ数つかわなくっても把握できるんですけどね。。。私が読みたいのは、村の存続を書けた村おこし大作戦の全貌と顛末なんで、はやく、そこのところを知りたいのに、なかなか村おこしの作戦の話になんないの。方言の説明とか酒乱大会は良いから、話を進めて~!!(笑)村おこし大作戦「ウッシー騒動」からは、展開が気になって一気読みなんですが、それが、すでにページ数も半分ぐらい費やしてからなんで、そこまでがちょっと冗長。その分後半がだだだだ~っとなってしまって、村おこしが一端挫折してしまったあたりから悟の結婚を機にまた盛り返すあたりをもう少し丁寧に書いて欲しかったところです。前半をもう少しテンポ良く読ませてくれたら・・・とそこが少し残念。ただ、後半は本当あっという間に読み終えちゃいました。この話もマンガチックな展開なんで、大変読みやすい!!多分先に読んだ作品と雰囲気が似てるので、比べてしまって辛い評価になってるのかも。逆に、「オロロ~」から「神様~」への作者の成長ぶりに素直に感心します。とにかく初物に弱い私なんで、最初に読んだ荻原作品が「オロロ~」ならまた違った評価になってたかもしれません。。。(笑)それと私は知らなかったんですが、映画になった「明日の記憶」の原作者なんですね~。「オロロ~」「神様~」とは作風がかなり違いますよね。。。多分。私の中では荻原さんはユーモア小説家という位置づけを仕掛けてたところですが、認識を改めないと!彼のユーモア小説以外の作品も読んでみたくなりました。TBさせて頂いた日記未定の予定~ラビ的非日常生活~(みっつ君さん)ミステリの部屋(samiadoさん)まあぼの交差点(donmaboさん)