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カテゴリ:樅楓舎アンサンブル
昨日の樅楓舎アンサンブルコンサートの中プロは・・・ 今まで米国を拠点に活動してきて、この度晴れて日本人女性と結婚して、 奥様の住む愛媛県は松山に移住することになったという、 超一流チェリスト、ナサニエル・ローゼンをソリストに迎えての、 ハイドンのチェロ協奏曲第1番ハ長調です。 1978年のチャイコフスキーコンクール優勝者のN.ローゼン氏。 彼の初来日は1995年の5月のことです。 本来は、 イイダ氏の楽器を愛用しジュリアードで教鞭をとっていた名チェリスト、 ハーヴィー・シャピーロ氏の来日公演が実現するはずでしたが、 病気の悪化でそれがキャンセルとなり、その代役としての来日でした。 以来、イイダ氏と親交を深め、日本にも深い愛着を持ち、 そして・・・とうとう日本人の奥さんをもらっちゃいましたか 奥様にもお会いしましたが、元は舞台女優をされていた方だそうで、 これまたとっても素敵な方でした。 樅楓舎で私が共演させていただくのは、これでたぶん3回目かな? 過去2回も、その自由闊達な技術と音楽性に驚かされましたが、 今回はさらに軽やかさを増したように思いました。 でもって、ダイナミックレンジがものすごく広いうえに、 かなりテンポも揺らしてくるので、伴奏する私たちは大変でした。 でも、それだけバックを信頼していただいたと考えても良いのかな? 特にすごいと感じたことは、これほどの技術を持った人なのに、 まだまだ新しいことに挑戦し続けているということ。 もう長いこと、そうなんだと自分に言い聞かせてきたことですが・・・ 改めて「これでもういい」ということが無い世界なんだと実感しました。 そして、今回弾いたイイダ氏の新作のチェロを ニック(樅楓舎で呼んでいる愛称です。)はすっかり気に入ったようで、 奥様によれば「欲しいってずっと言ってるんですよ。」だそうです。 この曲の練習中に面白かったのは、 チェロパートのメンバーがいろいろうるさく注文をつけてくること、 彼らも皆、何らかの形でこの曲を演奏した経験をお持ちですからね。 ここはもっと伴奏にも頑張ってもらいたいところなんだ、とか ここをニックがどうしたいかわからないけど、何かやってくるハズ、 とか・・・ 我々よりも、ソリストの気持ちに深く寄り添っているからでしょう。 実際、その彼らからもらった様々なサジェッションは、 本番の演奏でとっても役に立ちました。 でもって、演奏が終わるととっても疲れました。 こんな状態で、後半のチャイコフスキーは弾ききれるのか・・・ さて、日本に移住したN.ローゼン氏がどんな活躍をするのか・・・ これまた奥様のお話のウケウリですが・・・ 大チェリスト、ピアテゴルスキーとの師弟関係が有名な彼ですが、 (実際、弾いているフォームからもそれを感じますし。) 実は、何度も共演した、師匠と同時代のヴァイオリニストである、 ハイフェッツからの影響を多く受けているそうで、 彼の練習方法をチェロの練習に取り入れて、 長時間ではないけれど極めて効果的な練習をするそうです。 そして、彼はまた非常に優れた教師でもあるそうで・・・となれば、 これから多くの優れたチェリストを育ててくれそうな気がします。 奥様と二人三脚ならば、健康上の不安もずいぶん解消されますし、 これからの、日本でのニックの活躍が楽しみですね。 当面は、日本とニューヨークを行ったり来たりになるそうですが。 なんか、半分以上ニックの話になってしまいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.01.24 22:45:39
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