カテゴリ:中国・(チベット)・韓国・モンゴル産
中国産です。 ぱっと見て、何の石かわかりにくいですが……スティーブナイト(輝安鉱)と水晶です。 黒い金属光沢を持つスティーブナイトが、木の枝のように広がり、その隙間に水晶が結晶しています。 これは2006年9~10月のIMAGE2006で買ったもの。 荒々しくて、渋くて、でも魅力的な石なのです。 産地はおそらく湖南省。 おそらく、というのは売っていたお店の方が、石についてあまりご存じでない中国の方だったため。 意思の疎通と知識の不足で、ちょっと不安ですが、他に扱っていた石が、湖南省のヤオガンシャンと思われるものが多かったので、まあ、湖南省であることは間違いなかろうと思うわけです。 また、スティーブナイトはアンチモンと硫黄の鉱物です。 湖南省のアンチモンの埋蔵量は中国国内トップクラスと言われているそうです。 ですからやはり、湖南省の可能性大。 本当は、スティーブナイトにフローライトがくっついているのを探していて、これも見つけたときに、すわ、フローライトか!? ……と思ったのですが、よく見たら水晶でした。 なぜ、フローライト付きスティーブナイトを探していたかというと、湖南省のフローライトはスティーブナイトなどの鉱物とともに産出することも多いと聞いていたので、ならば、湖南省らしいフローライトとは、実はスティーブナイトにくっついたものではないかと考えたのです。 水晶やフローライト、アクアマリンなど、単体でも美しい石は、大きさと価格の関係から、ついつい単結晶を集めてしまいがちです。 でも、母岩も忘れるわけにはいきません。 鉱物標本は、母岩付きの方が価値がある……という、そういう話ではなくて、母岩は、その鉱物が育った場所の様子を伝えてくれるからです。 それはさておき、フローライトではなく水晶付きだったスティーブナイト。 これはこれで、似たような石をあまり見かけない上、まるで、金属の枝に水晶をちりばめたようなその様子は、やはり魅力的で、どうしよう~どうしよう~と迷いながら(カルサイト付きのロシア水晶を買った後だったので)それでもえいっと買ってしまいました。 掌にすっぽり収まる大きさですが、これがもっともっと大きかったら、さぞかし見栄えがすることでしょう。 かつて、日本では巨大な輝安鉱が産出したそうですから、なかにはそういうきらびやかな石はなかったのでしょうか。 しかし……この輝安鉱という石、時とともに変色するんですねえ……。 この黒っぽい金属光沢を、なるべく長く保って欲しいものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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