カテゴリ:アフリカ産
南アフリカからは、ユニークな水晶が産出します。 その一つがこれ。 その名も、フェアリー・クォーツと呼ばれています。 海外サイトでは、ホワイト・フェアリー、フェアリー・フィンガーと 呼んでいる場合もあるようです。 その形状を簡単に説明するならば、 「結晶の柱面に小さな結晶がくっついている」 とでもいいましょうか。 ところがこの説明だと、 同じく南アフリカ産のスピリット・クォーツ(カクタス・クォーツ)や マダガスカル産のキャンドル・クォーツも 同じ説明に含まれてしまいます。 水晶に付けられたイメージ的な名前は、 「これこれこういう形のものを○○クォーツと言う」……と、 形の規定についてかっちり書いてくださるところは少なく、 たいていは簡単な説明か、写真を載せて終わり、となります。 ところが、同じものが二つないのが天然石の世界。 「これは○○クォーツといっていいの? それとも△△クォーツ?」 ……と迷う場合も多々あります。 特に私は、パワーはわからないので、名前は、その水晶の形状を表す記号のようなもの。 さらに、鉱物ショップやミネラルショーで、 「○○クォーツ」とラベルが付けられていないところから探して (安く)買うのが好きなので、 「これは○○クォーツ、それとも△△クォーツ?」 という疑問はしょっちゅうです。 パワーが関係ないのなら、名前にもこだわらなければいいと言われたこともありますが、 「鉱物好き」ではなくて「水晶中心の石好き」である私としては、 手元にある石が全部「水晶」「クォーツ」では味気ない。 産地名を付けたところで「ネパール産水晶」だけでもいくつあることやら。 一生懸命イメージ的な名前を使ってみても、 別館サイトの「My Stones」の目次のような有様。 自分自身でさえ、後で見ると「これどれだっけ」の世界です。 そんな具合なので、せめて「こいつの名前はどっち」という 疑問だけでもなんとかしたい。 そこで、暇に任せて検索し、だいたいの傾向はこうだろう、ということで 「○○クォーツとは、これこれこういう形の石」と自己ルールを作っています。 そんな自己ルールで解説すると、こうなります。 ◆キャンドル・クォーツ 先端に大きな錐面があり、柱面に小さな結晶がくっつくが、 その小結晶は、メインの結晶とほぼ同じ方向を向く。 多くはマダガスカル産、ブラジル産、ロシア産。 ◆スピリット・クォーツ(カクタス・クォーツ) 先端に大きな錐面があり、柱面に小さな結晶がくっつくが、 その小結晶は、メインの結晶に対して垂直。 小結晶の柱面はあまり発達しない。 多くはアメジスト。色味がなく、ほぼ白いものもある 褐鉄鉱に天然コーティングされて黄色く見えるものもある。 南アフリカ産。 そして今回のフェアリー・クォーツはこうなります。 ◆フェアリー・クォーツ(ホワイト・フェアリー、フェアリー・フィンガー) スピリット・クォーツの一種という位置づけが多いようだが、 形は細く長いレーザー・タイプ。色は、白~ベージュ。 先端にメインの錐面があり、柱面に小さな結晶メインの結晶に対して垂直にくっつくが、 レーザー・タイプの結晶であるため、先端の錐面は小さめ。 柱面に付着する小結晶も、きわめて小さく、グラニュー糖のような感じ。 一番の違いは、根本の破断面を見ると、内部は透明度がある結晶で、 ざらざらの小結晶の部分は、不透明な層として被さっており、 二次的に結晶したのではないかと思われる。 南アフリカ産。 このように自己ルールを決めておくと、かなり便利。 お店の表示には惑わされにくくなります。 お店の表示を頭から疑うわけではありませんが、 たとえば「エレスチャル」の場合、 お店によっては同じ産地のそれっぽい水晶をロットで仕入れ、 すべてを「エレスチャル」として売ることがあります。 しかし、エレスチャルは「ごつごつ複雑な形状の結晶」だと思うので、 同じロットでも「これはエレスチャル」「これは違う」というものがあるはずです。 そのため、私は「このロットの中でエレスチャルはこれ」と自分で判断して買います。 それならば、納得できます。 仮に「エレスチャル」のロットの中で「非エレスチャル」なものを選ぶなら、 それにはそれなりの理由がありますし、 その石を「エレスチャル」と呼ばないか、 「エレスチャルとして売られていたけれど違う」 あるいは「ほんのり部分的にエレスチャル風味」として扱います。 お店で「エレスチャル」という名称を使うなら、 明らかに違うものくらいははじいて欲しいですけど、 その手間が価格に反映されて、むやみに高価になってしまうのは困ります。 そんなこんなで、私は自己ルールを作り、 それに従ってラベルなし水晶を探す道を選びました。 楽しいです♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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