カテゴリ:アフリカ産
アメジストを加熱すると、シトリンになる。
これは石好きさんにはおなじみの話。 この加熱して作られた黄色い水晶を「シトリン」と言ってしまっていいものか、 個人的にはちょっと迷っています。 では代わりに何というかというと、ぴったりな言い方がないので、 結局「……シトリン?」ということになってしまいます。 それでも人工的に色を変えてしまったものだから……というためらいがあるので、 「焼きシトリン」とか「加熱シトリン」と言ってみます。 ところで、すべてのアメジストが加熱するときれいなシトリンになる わけではありません。 茶色っぽくなったり、単に色が薄くなってしまうだけのものもあるようです。 そのほか、まれに(淡い)緑色になるものもあります。 加熱によって緑色になるアメジストは、ブラジルのモンテ・ズーマ鉱山のものが有名で、 「プラシオライト」と呼ばれています。 最近では「グリーン・アメジスト」と呼ばれる淡いグリーンの水晶もありますが、 これは、(ガラスでなければ)やはりある種のアメジストを 放射線&加熱処理したものだそうです。 加熱処理だけで緑になるものをプラシオライトと呼び、 放射線+加熱処理のものはプラシオライトとは呼べません。 そのためにグリーン・アメジスト……緑の紫水晶という変な名前で呼んでいるようですが、 厳密には「グリーン・アメジスト」もダメなようです。 http://www.gaaj-zenhokyo.co.jp/researchroom/kanbetu/2006/2006_05-01.html さて……ここからおもしろくなります。 アメジストに熱が加わると、黄色くなる。たまに緑になるのもある。 アメジストとシトリンが同居した(紫+黄)、アメトリンというのがある。 では、紫+緑は? あるんですねえ……。 写真では色がきれいに見えないのですが、 渋めのウグイス・グリーンの中に紫がちょっぴり混ざっているという感じです。 (肉眼では、もう少し緑が見えます) 「グリーン・アメジスト」と表示されたタンブルの中から探しました。 アメジスト+シトリンだからアメトリン。 では、これは……。正式な名称ではないですが、パワーストーン系の名前で 「アメグリーン」というちょっとビミョーな名前があるようです。 アメグリーンの産地はアフリカ(南アフリカ)。 写真の石の産地はわかりませんが、見た目そっくりなので、 アフリカの可能性ありとしておきます。 世のシトリンと同じく、人工加熱の可能性もありですが、 いくつかの理由で天然で緑の可能性もありだと思っています。 一つは色。ビーズの「グリーン・アメジスト」と比べると この石の色はずいぶん渋い「ウグイス色」。 安価できれいな黄色の石は意外に少ないので、アメジスト加熱のシトリンにも それなりに需要があるそうですが、緑の石はいろいろあります。 処理して色を変えたとしても、宝石としての水晶はやはり安価な部類にはいると思うので、 どうせ処理するならきれいに変色するものを選ぶでしょう。 手間をかけて渋い色では、ちょっと割に合わないのでは。 もうひとつは、写真の石です。紫色が混じっています。 他の石は緑だけでしたが、紫色入りの石が混じっていました。 もし、加工されていたとしたら、間違いなく変色させるために しっかり加熱されるのではないでしょうか。 だとしたら、紫が残るとは思えません。 そしてもうひとつ。 ブラジル産、未処理とわかっている石でやはり紫と緑の混じった石があります。 「これをちゃんと加熱するときれいな緑になるはずだよ」と言われましたが、 地熱によって自然に加熱された状態のその色は、やはり渋めのグリーン。 色合いは、似ています。 これらのことから、今回の写真のこの石も、 「絶対未加工」とは言えませんが、 天然の色である可能性も十分あるのでは……と思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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