カテゴリ:アフガニスタン・パキスタン
ぎらりぎらりと内部に虹を閉じこめた石……。 六角柱の結晶が半分に割れた感じのものを、上から撮っています。 六角形と言えば水晶。 しかしこれは結晶の先端が尖ってなくて平らなので、水晶ではありません。 ベリルです。 ベリルとはエメラルドやアクアマリンなどの仲間の総称です。 ならば、色に従ってアクアマリンとでも呼べばいいのでは…… ……呼べません。 なぜなら、部分的に色が違うから。 今度の写真は、同じ石を方向違いで写しています。 左側が横から。右側が上から。 上からの写真でなんとかわかるでしょうか。 結晶の下(底)の部分がうっすら水色→アクアマリン 結晶の外側(外周)部分がうっすらピンク色→モルガナイト 結晶の中心部分が透明→ゴシェナイト なのです。 あまりうっすらした色合いなので、「薄すぎ!」ということで アクアマリンともゴシェナイトとも言ってもらえないかもしれませんが。 手に入れたのは、アフガニスタン・パキスタン石ブームの最盛期。 「でっかいアクアマリン欲しい!」 「結晶系のモルガナイトも欲しい!」 「ゴシェナイトもあれば嬉しい!」 と贅沢きわまりないことを叫んでいたら、 目の前に出てきたのがこの石。 でかい。 なんてったって実物大だとこんな感じ。 なんと直径8センチ。 一部とは言え「大きいアクアマリン」。 半分割れとは言え「結晶形モルガナイト」。 色が混ざってるけど「ゴシェナイト」。 ひびがかなりは入っているけど、虹も出ているし。 それでお値段4ケタですから。 ……贅沢言ってみるものだ☆ 何で聞いたのだったか忘れましたが、 願いというのは「叶って欲しい!」と思い詰めるよりも 「叶えばいいな」と軽く、常に心にとどめておくくらいのほうが、 叶うきっかけがあったときに、タイミング良くそれを掴み、 叶えることができやすい……と聞いたことがあります。 それって意外に正しかったりして。 さすがベリルだけあって、同じくらいの大きさの水晶よりも重いです。 半分割れが惜しいとも言えますが、 割れていることで底の方がアクアマリンとわかることでもあるし、 完全結晶だったら、間違いなく高嶺の花。 こんなのが結晶しちゃうんですから、 アフガニスタン・パキスタンという場所はすごい。 ヒマラヤ山脈でも一番西側に当たるアフガニスタン・パキスタン。 ネパールはユーラシアにぶつかったインドの真正面にあたるあたりで どーんとぶつかって盛り上がったわけですが、 端の方のアフガニスタン・パキスタンは、 インドの縁の部分が、ユーラシア(アフガニスタンのあたり)を 強烈にこすりながらめり込んだ場所……といえるのではないでしょうか。 航空写真で見ると、ヒンズー・クシ山脈や アフガニスタンとパキスタンの境のあたりの山脈は、 大きくうねり、ねじ曲がっているように見えます。 そんな地形を作り出したエネルギーの大きさたるや。 アクアマリンやモルガナイトははかなげな色合いのきれいな石ですが、 それを生み出したペグマタイト、その元となったマグマの、 ひいては大地のエネルギーは、とても猛々しいものだったと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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