カテゴリ:ブラジル産
ケブラ・リーザと呼ばれる水晶があります。 この名前はポルトガル語で「なめらかに割れる」というような意味。 名前が意味するとおり、ちょっと不思議な割れ方をする水晶なのです。 水晶が割れる場合、それも単結晶がぽきんと折れるのではなくて、 塊状の石英ががつんがつんと割れる場合、 たいていは鋭い角ができ、 割れた面は真っ平らということはなく、どちらかというと凹面になります。 ワイヤーでくるんでしまったので見えにくいですが、 割れた面が凹み、角が鋭く立っているのがわかると思います。 面が凹むとまでは行かなくても、割れた塊状の石英というのは、 たいていが「角張って」います。 ところが、ケブラ・リーザはその名前が意味するように 「なめらかに」割れます。 そのさまは、タマネギの皮を剥がすように……とでも言うのでしょうか、 がつん、ばりんと角張るのではなく、剥がすように割れて、 割れた残りは不思議に丸っこい状態で残るのです。 一番上の写真の石は、割れた後にやや風化かして磨りガラス状になってしまっていますが、 奇妙に丸っこいようすがおわかりいただけるかと思います。 なぜ、このように割れるのかはしっかり解明されていないようです。 「結晶の具合(分子のつながり方?)が普通の水晶と違う」という 説明も耳にしましたが、 それだと成分が同じで結晶の仕方が違う同質異像ということになり、 水晶(石英)ではない、別の鉱物と言わなければならないのではないかとおもうので、 この説明はちょっと違うんじゃないかと思います。 この不思議な割れ方をする水晶(石英)で、 色が付いておらず、内包物がなく、双晶ではないものは、 人工水晶(合成水晶)の種水晶にされるのだそうです。 また、適当な大きさのものは、 現地ブラジルの鉱夫(ガリンペーロ)がお守りとしているのだそうで、 そのために、普通の水晶のように出回ることがないのだといいます。 何年か前からその存在は知っていたのですが、 大きさと、手に入れるタイミングが合わなくて、 機会があればとねらっていたところ、やっと手頃な大きさのものを見つけました。 「わーい、初・ケブラ・リーザ!」 ……と思っていたら、意外なことが判明。 本当かどうかはわかりませんが、 「ケブラ・リーザがこのように割れるには、普通の衝撃ではだめで、 落雷の衝撃で割れる……という話もあるそうだよ」 というのです。 えーと。 丸っこい形で、 落雷、つまりはライトニング。 それって……これは? http://plaza.rakuten.co.jp/voidmark/diary/200607150000/ 産地は同じブラジル。(ケブラ・リーザはあちこちで出るようす) 「ライトニング・メルト」の名前で買ったもので、 一部に結晶面が残るものの、ほぼタンブル状で、落雷の後を刻んでいます。 この形の感じは、表面は溶けているけれど、 元の形を想像するに、なんとなく、ケブラ・リーザ。 もしかして……? 見ていただいたところ「そう(ケブラ・リーザ)かもしれない」。 一番上の写真の石が、ケブラ・リーザ1号かと思っていたのですが、 もしかしたらライトニング。メルトが1号かも。 普通の水晶のように、大地の中で美しく結晶したものももちろん大好きなのですが、 ケブラ・リーザやライトニング・クォーツ、触像水晶のように、 さらに時と大地の力が加わった水晶に、心惹かれてしまいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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