カテゴリ:ブラジル産
毎度おなじみ(?)「スーパーセブン」です。 産地はブラジル・ミナスジェライス。 スーパーセブンの説明を読むと、産地は「エスピリト・サント州」ということになってますが、 ミナスジェライス州のいくつかの産地のも本家に渡って スーパーセブンとして売られているそうです。 なので、状況的にはこれもスーパーセブンの仲間入り……? ……とはいえ、有名な七つの条件は満たしておりません。 水晶の色はほとんど透明、わずかにアメジストの色合いが混じっています。 内包物は肉眼で見る限り、おそらくゲーサイトのみ。 七分の三では、ちょっと少なすぎるかもしれませんが、 内包物の「量」はたっぷり。 スーパーセブンでも「インクルージョン・クォーツ」でも良いのですが、 この……の石は、塊状で産出するか、結晶形でも表面が凸凹していたり、 スモーキーがかっていたり、磨りガラス状だったりで 内部がきれいに見えないものがほどんどであるため、 勢い、カットされたり磨かれたり加工されるものが多くなります。 この石も、元は結晶形であったようですが、(写真上縁は結晶面) カットするために割ったひとかけらです。 まだ全く磨いていないので、割った破断面から内部が見えます。 かなり個性的な水晶なので、このようすを「美しい」と考える人と、 「きれいじゃない」と思う人と、多分両方いらっしゃると思います。 もちろん、私は「美しい」「おもしろい」と考えるタイプ。 一見地味に見えるのに光に透かすと化ける、そのギャップがツボです。 黒っぽく見えていたゲーサイトが、光に透かすと深紅に輝き、 割っただけの凸凹面越しに揺らめいて見える様は、 インクルージョン好きにはたまりません。 写真の石は、水晶の結晶を輪切りにして、さらにその一片を半分にした ……という感じになります。 写真上部が結晶の表面側、下部が結晶の中心側です。 そうしてみると、このたっぷり内包されたゲーサイトは、 結晶の中心から外側に向かって、放射状に内包されていることがわかります。 内包物でも、ルチルの場合は明らかに、ルチルの方が先に結晶して、 あとから水晶がルチルを飲み込むように結晶していったのだと思いますが、 ゲーサイトの場合は、水晶が結晶すると同時に、 水晶の成長と競い合うようにして結晶していったのではないでしょうか。 そう考えないと、結晶の中心から放射状に内包されている仕組みが 説明できません。 また、今回の石は、比較的ゲーサイトがまんべんなく石全体に内包されていますが、 こちらのように、内包物の密度にばらつきがある場合もあります。 すると、小さくカットして磨いた場合、 当然、一つのルース、一粒のビーズにどれくらい内包物が入っているかは違ってきます。 中には、元の石(結晶全体)の状態から、内包物が少なかっただろう、 内包の具合がスーパーセブンの産地のものと違っているだろうというものも 多いです。 ビーズやルース一粒では、なかなか区別が付きませんが、 結晶や全体の内包具合がわかる石を見ておくと、何となく区別できるようになります。 二番目の写真の石は、途中から内包物がなくなり、透明な水晶として成長しています。 それほど劇的に成長の環境が違ってしまったのでしょうか。 また、この石が、こういうかけらではなくて、結晶の形を残していたら、 内部に放射状のゲーサイトの内包を持つ透明水晶になっていたわけで…… そういう水晶、見たいかも……。 どうか、片っ端から割って磨いてしまうのではなく、 結晶の形を残したものは、そのままで流通して欲しい……。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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