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2008/05/14
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今日も行きます、石雑記。

光の檻

パキスタン産のスケルタル・クォーツです。
このような水晶を「エレスチャル」と読んでいることも多いです。
かくいう私もエレスチャルと呼んでいたことがあります……が、
いろいろ調べて、すっきりできる基準を自分で作ってみて、
こういう、層状になったタイプは「スケルタル」と呼ぶのが
相当ではないかと考えました。

ここで注意しておきたいのは、これは、KUROオリジナル規定だということです。
エレスチャル=スケルタルとしているところは、海外、国内を問わず多いです。

層状の結晶をしている水晶をスケルタルと呼んだ方がすっきり来る……というのは、
こういう訳があります。

エレスチャルと呼ばれる水晶は、結晶学の分野では「骸晶」と呼ばれます。
エレスチャルのことを「骸骨水晶」と訳(?)しているのは、そのためだと思います。
(がいしょうで変換しても骸晶とはまず変換されないので、
骸骨水晶と入力して「骨」「水」を消すところを消し忘れて、
そのまま広がった……なんてことはないでしょうね?)

この「骸晶」から遡って調べていくと、結晶の角の部分で結晶が進み、
面の真ん中が取り残されて穴が開いたり、凹んで層状になるものを説明していることが多いです。
そしてこの「骸晶」を英語で言うと「skeletal」(骨格の、という意味)なのです。

層状ではなくて、いくつもの結晶をひとかたまりにしたようなタイプの
「エレスチャル」も、骸晶の一部だと思いますが、
結晶学の「骸晶」のスタンダードは層状結晶であり、
クリスタル用語でもこれを「スケルタル」と呼ぶことがあるのなら、
いっそ層状のものをスケルタル、ごつごつタイプを「エレスチャル」と
区別した方がすっきり明快。そう考えました。

さて、写真の石はパキスタン産。
いつもおなじみの北部ギルギット周辺ではなくて、南北に長いパキスタンの真ん中当たり、アフガニスタンよりのワジリスタンの水晶です。

このように層状の水晶やごつごつタイプ・エレスチャルは
層の間や結晶のすきまに粘土が染みこんでいたり、
表面がぴかぴかでなく、色濃いものが多くて
一見するとあまりきれいには見えません。
よく言えばワイルド、悪く言えばこ汚いものが多い……。

でも、それは表面的なことです。
ぱっと見にはきれいに見えないものほど、
光に透かすと劇的に変化したりします。

写真の石は、実は照りはとても良くてぴかぴか。
なのに中が層状であるために、せっかくの透明度が透明に見えない石でした。
それを光に透かしてみると……

層状の構造が光を反射し、元が透明であるためにその輝きがクリアに見えて、
まるで、光で作った構造物。

美しい!

石の表情を探して、カメラを構え、見つけた一瞬に感謝したくなるのは
こんな時です。






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Last updated  2008/05/14 11:22:40 PM
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