カテゴリ:アフガニスタン・パキスタン
パキスタン産のルチル入り水晶です。 おなじみギルギット周辺ではなくて、もっと南の産地の石のようです。 最近見かける「ザギマウンテン」と呼ばれる産地の石に似ているのですが、 だとすると内包されているのは、ルチルではなくて アストロフィライトだという説があるので、一応「たぶんルチル入り」ということに。 この産地はちょっと土っぽいようなワイルドな石が出ますが、 写真の石もその例に漏れず、がっちりと土やら岩やらがくっついたワイルドさ。 ……というより、岩のすきまに結晶したために、結晶部分はほとんど母岩の中、 かろうじて結晶面の一部が現れているので、石英ではなくて「水晶」と呼ぼうかな、 という、残念といえば残念な石なのです。 しかし、わずかに見える結晶面はつやつやで、水晶そのものの透明感はかなりのもの。 そのために内包された(たぶん)ルチルがはっきり見え、 岩のすきまに金色の光と閉じこめたかのよう。 全面つやつやキラキラ、ダメージなしの結晶はもちろん美しいですが、 ごつごつとした岩に包まれ、一部分だけきらりとした輝きを見せるこの石も美しい。 石というのは良くも悪くも趣味の世界なので、 見た人が、その人自身の感覚で「美しい」「好き」と思えば、 それがその石の評価として、魅力として、成り立つのだと思います。 私は、このごつごつとした岩肌をまとった石を「美しい」と思い、 そのことで石に「美しい」という魅力を与えた。そうとも言えます。 石を選び、石を買い、たくさんの石の中から取り出して「自分の石」にする。 その石でなければならない何かを見つける。 自分しか見つけられない何かを見いだす。 私にとってはそれこそが自分と石とのつながりです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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