カテゴリ:アフリカ産
新宿ショー戦利品です……去年の。 自他共に認める「水晶好き」ですが、 「珍しい」「変」「なんだかいい」「きれい」をキーワードに、水晶以外の鉱物にも手を出します。 フローライトやガーネット、アクアマリンやトルマリンなど、わかりやすい石が多いですが、 見た目重視で選んでいると、「???」という石に出くわします。 今回の石は、ローズ石の上に水晶が結晶した薔薇氷石を買ったのと同じ店で、同じ時に手に入れた物。 「ローズ石!? きれ~い! はじめて見る!(でも高~い!)」 と、仲間の石好きさんたちと大興奮、わいわいと品定めをし、 それぞれこれぞと言う石を手に取った後に見つけました。 「おや、これは?」 巨大鱗のような半透明の結晶をを縦にならべ、その中に別の赤い鉱物が染みこんでいるような。 ちょっとあやしげで不思議な雰囲気の石です。 「外側はカルサイト……かな?」 ローズ石選びですっかり舞い上がっていたために、お祭り気分でこの石もチョイス。 お店の人(外国の方)に身振り手振りで「この石は何?」と聞いてみました。 すると、お店のおじさんは、 「◎△※◆○□※▽*!」 「へ?」 「◎△※◆○□※▽*!」 ……わ、わかりません。何度聞いてもごもごもごっ。 失礼ですが、なんだか「酔っぱらった名前」に聞こえるんですが。 あ、店の方が酔っぱらってるようだと言うのではなく、石の名前の発音が 酔っぱらってるような感じで「◎△※◆○□※▽*!」。 同じ店で黄色いフローライトに小さくて真っ赤な水晶がちりばめられた石を買われた 石好きさんがいらっしゃるのですが、この方も 「この赤いのは何?」 と聞いて、返ってきた 「ブラ~ックォ~」 の答えに、思わず頭の上に?マーク。 何度かやりとりして 「もしかしてブラッド・クォーツ!?」 やっと判明。(血水晶の名前がぴったりなキラキラ真っ赤な水晶でした) このように目の前の石を見つつ名前を聞いて、 石の正体に心当たりがあれば「もしかしてコレ!?」とひらめくこともできますが、 それもわからないとなるとお手上げです。 「コレも買います。でもラベル書いてくれますか」(……と身振りで) お願いして、手書きでラベルを付けていただきました。 以前、外国の方に書いていただいたら、なんというか「アルファベットの草書」状態で、 「地名の最初はBか?」と判読するのに2,3年かかったことがありますが、 今回は大丈夫(笑)。読めます。 読めます……が、わからない。 「CALSITE/COBALTOLOTARMAYRITE」 最初の予想通り、外側の半透明白の部分はカルサイトで間違いないようす。 中の赤い部分が「COBALTOLOTARMAYRITE」なんでしょう。 早速検索、こいつは何だ。 結果「cobaltlotarmayerite に一致する情報は見つかりませんでした。」 書いていただいたラベルと見比べましたが、私の打ち間違いではありません。 「つ、綴りが違う……?」 全く未知の石。 しかもこんなに長い名前。 どこか一個文字が抜けているのか多いのか間違っているのか……!? そんなのわかるはずがありません。 石イベントの折に持っていって、くわしい石屋さんに見ていただきました。 石を見分けるのはただでさえ大変なのに、内包物となるとその困難さは倍増。 「うーん、何だろう……タルメサイトじゃないかなあ?」 調べてみると、タルメサイトはモロッコで出ているようす。 しかもコバルトが入ったものもあるようです。 これか? でも、コバルト入りのタルメサイトは「ピンク」だというのですが、これは赤。 綴りも「Talmessite」ですから、全く違う。 間違うにしてもここまで違ってしまうとは考えにくい。 こんなわけで、すっかり「謎の酔っぱらい石」として定着していたのですが…… この度、新宿ショーでお会いした石好きさんから耳寄り情報をいただきました。 「加藤の鉱物・化石コレクション」様に、とてもよく似た綴りの石が出ているというのです。 早速検証。 綴りが間違っているのは確定なので、英語表示にして「Cobalto」を頼りに探してみます。 ……これかなあ? Cobaltlotharmeyerite 綴りを比べてみます。こちら↓がラベルの。 Cobaltlotarmayerite 似ている。二つ目のtのあとのhがなくて、mのあとのeがaになっているだけです。 これなら誤字脱字の範囲に収まるでしょう。 で、Cobaltlotharmeyeriteって何だ? 日本語表記すると……コバルトロタールマイアー石……長ッ! もうひとつコバルトロザマイローライトの表記もありましたが、 検索してヒットしてくる日本語サイトはこれくらい。 少ない……。 拝見したのはこちらのページですが、 その説明をお借りすると、「赤褐色球状の鉱物」で、 「紅色のベータローゼ石(Roselite-beta)などと共に産出」するのだそうです。 標本の産地は、 「Aghbar Mine,Aghbar,Bou Azzer District,Tazenakht,Ouarzazate Province,Morocco」 とあり、私がもらった手書きラベルが「Aghabar Morocco」ですから、これも同じ。 やはりこれ? ……で、どんな石なのでしょう……謎はまだ続くのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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