カテゴリ:ブラジル産
恐竜の卵……じゃなくて。 水晶です。 買ったお店では、グランド(グラウンド)・タンブルと呼ばれていました。 水晶といっても、ご覧の通り、結晶の形はどこにもなく、まあるくなっています。 ただ、写真で見て想像する「エッグ型」ではなくて、やや平べったい感じ。 ほかにもたくさん仲間石がありましたが、たいてい平べったい感じでした。 人為的に磨いたものと違って、表面は細かな縮緬じわ状。 オレンジ色に見えているのは、酸化鉄によるもののようです。 これは何かといえば、大地が作ったタンブル。 人為的にではなくて、自然に磨かれてタンブル状になってしまった水晶なのです。 水晶(石英)は、比較的硬く風化に強い石ですが、 川に流されたりして長い年月のあいだごろごろ転がっていれば、 角が取れて丸くなります。 川に流され丸くなった水晶を「川流れ水晶」「リバー・クォーツ」と言うことがあります。 しかし、グランド・タンブルは川から採取されたのではありません。 地面の中、ポケット・ピットと呼ばれる地層のくぼみからまとまって見つかるのだそうです。 それを聞いて、石屋さんに尋ねてみました。 川の中の、岩盤のくぼみに石が入り込むことがあり、 流れの具合で抜け出ることなく穴の中をころころ転がり続けることがあるのだそうです。 すると石が岩盤の穴を削って大きくし、石自体も転がって丸くなっていく。 ところによっては川に丸い穴があいていて、 中には丸い小石がころころ入っているのだそうだ……という話を聞いたことがあるので、 グランド・タンブルも、今は地面の中でもかつては川で、 岩盤の中をころころして丸くなったのではないのか……と思ったのです。 石屋さんによると、その可能性は高い。 だけれども穴の中をころころした石は、丸(球状)に近くなるものなのに、 グランド・タンブルは平べったいものが多い。 なぜ、平べったいのかが説明できない……というのです。 そういわれれば、私の買ったこの石も、球状と言うよりも平べったい。 実はこの水晶はとても古い時代のもので、 結晶した地層が地殻変動で移動していくのに巻き込まれ、 水ではなくて地層の動きで長い時間をかけて丸くされたのではないか……という 説もあるのだそうです。 だとすると、とてつもなく古い時代の水晶だということになりますが……。 個人的には、なぜか平べった川流れ水晶説に一票投じますが、 ものすごく古い、地層で磨かれた水晶だったらいいなという思いも捨て切れません。 ともあれ、自然の力で長い時間をかけて磨かれた水晶は、 ひびが入っていたりして割れるべきところは残らず割れてしまい、 一番丈夫な部分が残っているのだそうです。 言われてみれば、写真の石も、表面こそ色づいて磨りガラス状ですが、 中身はかなり透明で内包物なし。 大地が生み出し大地が磨いたこの石、なんだか手になじんで気持ちいいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ブラジル産] カテゴリの最新記事
|
|