カテゴリ:アフガニスタン・パキスタン
ちょっとネーミングに関心した石をひとつ。 パキスタン産のエレスチャル……個人的には層状構造の部分に注目して 「スケルタル」と呼びたい石ですが、今回はあえて「エレスチャル」。 ……というのもネットで色々見ていたら、海外サイトで同じ産地の同じような石に 「ゴールデン・エレスチャル」という名前が付けられているのを見つけました。 なんだ、また新しい名前か……なのですが、 これはどうやら内部の層状構造に泥が内包されて、全体が金色っぽく見えているので 「ゴールデン……」と呼んだようです。 「名前」というのは微妙です。 私の「名前」に対する反応も、その時々で揺らいでしまいます。 アゼツライトも、ヒマラヤ水晶も、レムリアンシードも、鉱物としてみれば 普通に水晶(石英)です。 ただの水晶(石英)に、それらしい名前を付けて高値で売っている。 ……と言われれば、それはそうかも……という点もあるにはあるのですが、 では、すべてを「水晶(Quartz)」とすればいいかというと、 それはそれで味気ないよなあ……という気分にもなります。 「だからパワーストーンは……」といいますが、 大規模採掘のブラジル産水晶と手掘り(らしい)ネパール産水晶では 値段(必要経費)が変わってきて当然ですし、 パパゴアイト入り水晶はパワーストーンのパワーなど関係なしに 数が少なくて鉱山が閉山しているということで(最近また開いたという噂もありますが) 水晶と思えないような強気のお値段です。 しかし、柱面に横筋が付いている=レムリアンシード……と、 安易に解釈して、本来レムリアンシードと呼ばれている石とは 全然違う見かけ・産地のものまでレムリアンシードと呼んで、 明らかに「高いでしょう」という値段で売っているのを見たり、 これまで単にブラジル産水晶と呼ばれていたものが 突然「コリント・クォーツ」と呼ばれて、新たな説明が付けられ 新たな高め値段で売られはじめてみると、 「これはパワーストーンの弊害じゃないか?」と腹立たしく感じることもあります。 話は戻って「ゴールデン・エレスチャル」。 水晶の中に泥が内包され、透明度が阻害されている……と考えれば、 それはマイナスポイントになります。 しかし、そのような水晶を「金色に見える」と受け取り、 「金色のエレスチャル」と呼ぶ感覚は、素直に共感できるのです。 かつて、水晶とは、一般的には透明度が高くて、 形のきれいなものがよしとされてきました。 今でもそれは間違いではないと思うのですが、その視点だけで見れば 「エレスチャル」と呼ばれる石は、いろいろ混ざっているし、 形もごつごつしているし、かなり「質が低い」石ということになります。 「エレスチャル(あるいはスーパーセブン)のような《くず石》が、 名前だけで高く売られている」 このような揶揄の影には、そのごつごつ石を新たな視点で見て、 ごつごつして混ざっているのが「面白い」「美しい」「神秘的」と感じて、 「エレスチャル」という名前を付けて注目する……。 (ヒーラーが)注目することによって、流通するようになり、 これまで水晶=透明なものというイメージだったのが、 バリエーション豊かな石に出会えるようになる。 そのような一面もあると思うのです。 それは、パワーストーンとしてだけではなくて、 地球上に広く産出し、実にさまざまなものを内包して、 バリエーション豊かな表情を持つ、 水晶という石の魅力をもっと知ることができるということでもあります。 私は、この石を「泥入り骸晶」ではなくて 「ゴールデン・エレスチャル」と呼ぶ感覚には賛成です。 しかし、「ゴールデン~」という名前に便乗して、新たな解説を付け加え それを根拠に付加価値が付けられるのには反対です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/08/20 04:02:38 PM
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