カテゴリ:ブラジル産
「デヴィック・テンプル」と呼ばれる水晶があります。
「イシス」とか「カテドラル」とか「エレスチャル」とかいう、クリスタル用語の一つです。 クリスタルというと、個人的には「結晶」なんですが、「クリスタル用語」の場合は「水晶」。 多くの結晶鉱物の中で水晶というのは形も豊かで、石好きさんやクリスタルヒーリングの中では、一番一般的な……いや、一番近しい石だと思うんですね。 言葉……名前というものは、近しいものに大して数多くつけられると言います たとえば、四季の変化豊かな日本では、時雨、さみだれなど雨を表す名前が多く、海に囲まれているために、魚の成長具合によって名前が変わってしまうほど名前が多い。 たぶん砂漠の国や、遊牧の国では、たとえば砂漠の砂のようすを表す言葉や羊のようすを表す言葉がとてもたくさんあるのではないでしょうか。 水晶は、色や内包物・形も豊かで、産出量も多いために、石好きさんにとっては近しい石。 特に水晶に注目し、水晶を用いてきたクリスタルヒーリングの分野では、鉱物として単に「Quartz」ですませてしまうのではなく、面の形、内包物、表面のようす、全体的な形で様々な名前が付けられています。 何人ものクリスタルヒーラーが自分の考え方に基づいてさまざまな名前を付けていますが、一般的には誰がどの名前を付けたとか、一人の人が付けた名前にこだわって「○○流」とすることは少なく、水晶の形態を表す言葉として臨機応変に用いられているようす。 話は戻って「デヴィック・テンプル」。 「五角形の面を持っていたらイシス」のように、わかりやすく説明できないややこしい石です。 「エレスチャル」や「カテドラル」も、サイトによって同じような石が違う名前で呼ばれていたり、なかなかややこしい石ですが、「デヴィック・テンプル」のややこしさはさらに上。 何しろ「形態に決まりはない」らしいのです。 「こういう石」という決まりがないものをどうやって「デヴィック・テンプル」と呼ぶか。 デヴィック・テンプルの「デヴィック」は「Deva」、サンスクリット語で「人間の力を超えた何か」、転じて「神」のことであるとされています。 「神」と言い切ってしまうと、ちょっとよけいな概念が入るような気がするので、ここでは「精霊」と考えた方がぴったりくるかもしれません。 「フェアリー・フロスト」という呼び方もあるようですから、「神」よりは「精霊」「妖精」のイメージだと思います。 テンプルは「寺院」ですが、そのまま建物と解釈するのではなく、「精霊や妖精のよりしろとなれる石」のことだと解釈すると、なるほどと納得できます。 内部のひびや曇り具合、形、大きさ、表面のようすなど……たとえば虹が出ていれば「レインボー・クリスタル」だけれども、単にその名前で呼ぶだけでは足りない、イシスやダウと呼ばれる決まりのある形ではないけれど、何か特別な名前で呼ばずにはいられない、際立って神秘的な石。 それがデヴィック・テンプル(あるいはデヴィック・クォーツ、デヴィック・クリスタル)です。 「際立って」というのがポイントであり、難しさです。 ほかの石とは異なる「際立った何か」があるから、特別な名前が奉られて区別される。 この「際立った何か」は、ある人から見たら特別に見えても、別の人は何も感じないかもしれない。だから、下手をすると「この水晶を表す名前がないから適当にデヴィック」もあり得てしまう。逆に石の卸元も小売りの店も、はっきりした根拠がないからあえて「デヴィック」としては売らないので、「デヴィック・テンプルが欲しい」と思ってその名前を探しても、なかなか見つからなかったりする。 私は、デヴィック・テンプルは、そのように名付けられた石を探すのではなく、出会った石に対して自分で名付けるものだと思っています。 たぶん、めったにあるものではないし、最初は何をどう呼んで良いやらわからなくて、つい、「わかる人」が「デヴィック」と呼んだ石に注目してしまうかもしれないけれど、むしろこれは誰がなんと言おうと、デヴィック」と言えるようになって、初めて現れる石であるかもしれません。 何しろ精霊や妖精が宿るという、すごい名前を付けるのですから、「これならデヴィックでしょう!」と持ち主を納得させる、持ち主に自らにそう呼ばせる風格を備えていなければ。 前置きが長くなりましたが、「誰がなんと言おうと」というわがまま的独断で、今回のライトニング・クォーツはKURO的にデヴィックと呼びたい。 雷撃の音と光を閉じこめた、雷精宿る石。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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