2007年末の池袋ショーで初めて見て以来、惚れ込んでいる水晶……。
ブラジル産で「サラード」と呼ばれているらしい水晶です。
このサラードは触像水晶。
長期マイブーム中の「溶け水晶」です。
「サラード」の特徴は、まずは、その圧倒的な透明感。
そして、柱面の角の部分に見える、でこぼこした不思議な形状。
溶け水晶なので、表面がでこぼこしていても何の不思議もありませんが、この「サラード」溶けている割に錐面のエッジは無傷、柱面(側面)の部分が触像のでこぼこを示していて、柱面の角の部分に
平たくつぶれた円錐のようなでこぼこ、あるいは「のこぎりの歯のような」と表現される凹凸が見られるのです。
アイスクリスタルでは、錐面が完全になくなった結晶が多くあり、トライゴーニックとして知られる触像水晶の「逆三角形(▽)」は、錐面が軽く溶けていることで現れています。
そのほかの溶け水晶は柱面・錐面問わず溶けている……どちらかというと錐面の方が溶けている特徴が出やすいのですが、このサラードは錐面が無傷のものが多いというのが、実は不思議。
そのうえ、溶け水晶は溶けているがために表面が磨りガラス状になったり、縮緬じわのようになってしまったりで、内部が透明でもあまり透明度が高く見えないのに、サラードは、まるで溶け始めた氷のように表面がみずみずしく、溶けているがために透明感が際立って見えます。
透明感には、水晶自体の色も関係します。
一口に「透明」と表現しても実はややクリーム色ががっていたり、淡いスモーキーに類する色だったりすることが多いのです。しかし、「サラード」は全くの無色透明!
この「色味のなさ」が、表面のみずみずしさと相まって、「ただの透明触像水晶」ではない魅力になっていると思います。
さて、「サラード」。
最初は「Salado」と言う綴りを教えてもらい、「浄化された」という意味だと聞いたのですが、どうやらこれは間違いだったらしく、正しくは「Sarado」、「復活・再生」「再生された」という意味なのだそうです。
ネットのポルトガル語翻訳で確認してみたので、間違いないようす。
……で、どうも、この柱面のでこぼこが、水晶の再結晶のように見なされて「復活・再生」ということになった……らしいのですが、このでこぼこは溶けてできたものなので、正反対の意味となるとちょっと微妙ですねえ……。
しかも「サラード」で調べていくと、ブラジルでは俗に「イケメン」「マッチョでかっこいい男の子(若い男性)」の意味でもあるらしく……。なんだそりゃ。
この水晶は、まずみずみずしい圧倒的な透明感が強烈な印象をもたらしたので、「浄化された」という意味だと聞いたとき、「なるほど!」と無条件で納得してしまった覚えがあります。
そのせいでしょうか……どうしても、「復活・再生」「イケメン」とは結びつかないし、個人的には結びつけたくない。(サラードという語感はいいのに……)
何か違う名前を付けてあげたい。