原石好き、ゴツい石好き、ワイルド石好き。
……のわりに、気が付いたら結構ローズクォーツ玉を持ってます。
「気が付いたら」なので、自分では「集めている」気はなかったのです。
しかし、同じ見かけはやさしい石で、丸玉で、「集めている」石があります。
こっちは意識しています。
それは、ミルキー・クォーツ玉。
それも、ただミルキーなだけでなく、まるでムーンストーンのような光のスポットが現れるタイプ、その中でも方向を問わずスターが出る石を捜して集めています。
こちらのフレア・ミルキークォーツ、こちらのイエロー・ジラソル、そのほかこちらやこちらも、すべて光のスポット&方向を問わないスターが出るタイプ。
私としてはこれらの特徴を備えたミルキー・クォーツは”ジラソル”と呼びたいんですが、この場合はブラジルの石も含まれてしまいます。一般的にジラソルはマダガスカル産のミルキークォーツのことだとされているので、混乱なさらぬよう……。
今回のIMAGE2008でも、箱にころころたくさん入れられた石を「掘って」いると、その中にミルキー玉が。手に取ってみれば、好みのタイプ♪(注:ブラジル産)
念のために複数あるミルキー玉を照明の下で転がして確認しても、光のスポットやスターが出ることを予感させる光の筋が現れないものもあります。
探す目印の第一は、”ムーンストーンのような光のスポット”。
がんばって写してみました。
実物ではもっとムーンストーンに似て見えます。
丸玉にこのようなスポットが出ていると「お!」……と思わず注目。
このようなタイプだからと言って区別して売られているわけではないので、探したもの勝ちです。次に手当たり次第に確認して、一番スターが出そうなものを選びます。ローズクォーツで見られる、現れる場所がほぼ決まっているスターと方向を問わないスターの違いは、石の表面に走る光の筋の感じで見分けがつきます。
ところが……「こういう変なスターが出る石を集めてるんです」と話していたところ、石屋さんに
「水晶でそういうスターは考えられない。長石じゃないの?」と言われてしまいました。
「え? 石英ですよ~」
と言いつつも、思わず動揺する私。
長石(ムーンストーン)の丸玉……ルース・グレードの丸い玉を見せてもらいましたが、光の筋の感じは似ているといえば似ているけれども、だがしかし。イエロー・ジラソルと言われた石は、マダガスカル産のオーソクレースにそっくりな色だけれども、だがしかし。
「長石に詳しい人がいるから、聞いてみてあげる」
その結果、なんと長石説にさらに1票!
石好きさんの中でも「そういわれると長石っぽい気が……」という意見が。
でもでもでも。
その場で測っていただいたら、硬度は7。長石は6~6.5のはず。
それに、ムーンストーンの光のメカニズムは、(おおざっぱに言えば)ミクロサイズの層状構造に光が反射するから。でもこの丸玉は、中に細かい針状結晶が縦横無尽に内包されていて、それに光が反射しているから。
やっぱり私は石英だと思います~!
詳しく分析したわけではなく、イベント会場での見た目判断ですが、パワーストーンではなくルースを扱う石屋さんですら長石か、石英か迷う石があるわけです。
なるほど、某バイブルでジラソルをオパールと言い切るような事態が起こるわけだ……。
さて、話は戻って写真の石。
いくつも持っているのに、またしても買ってしまったこのミルキー玉は、手頃な大きさ(直径約3センチ)で、光のスポットもかなりはっきり出ます。残念ながら無傷ではなくて、内部にクラックがあり、それも表情としておもしろいかも……と写したのが一番上の写真。
ところが、このクラックがこの石に別の表情を与えていました。
上で述べたように、私が集めているミルキー玉は、中に見えるか見えないかくらいに細かい針状結晶が無数に内包されて、それに光が反射してスターが出るタイプ。そのスターを写そうと、いろいろ角度を変えていたら……
クラックに反射した光が、この針状結晶を思わぬ部分で輝かせ、まるで石の中に青白い炎が揺らめき立つような、不思議な感じになりました。左上から右下にかけてうっすらと伸びる光のラインがこの石のスターなので、全く別の部分が輝いていることがわかります。
ミルキー・クォーツは、その見た目からふんわり優しい石であると説明されていることが多いですが、スターが出るミルキー玉は、ちょっと違うような……。少なくとも、私にとっては、
「この不思議な光を写さなければならない」
「もっと不思議な光が現れるかもしれない」
と、どきどき、そわそわさせ、「on」と「off」で言えば「on」の気分にさせる石なのです。