カテゴリ:ブラジル産
先日、ムーンストーンのような光のスポットが現れるタイプのミルキー・クォーツ玉を集めていると書きました。 ふつう、ミルキー・クォーツは細かい気泡や液胞などが内包されるために白濁していると説明されていることが多いですが、この光のスポットや、方向を問わないスターが出るタイプのミルキー・クォーツは、細かい針状結晶が縦横無尽に内包されていて、それに光が反射しているらしいのです。 それがわかってくると、興味はいっそう深まります。 この針状結晶の大きさで、光の反射の具合の具合が変わり、スターやスポットの表情も変わってきます。 「これはどうだ?」「こっちは?」……と、針状結晶に的を絞って集めていて、見つけたのがこれ今回の石。 水晶をミルキー・クォーツに見せる針状結晶は、ふつうは肉眼で見えるか見えないか程度の細さ&小ささなのですが、これは中の針状結晶が、肉眼ではっきりわかるほどに大きいのです。 針状結晶が大きくなると、反射したときの光の粒が粗くなりすぎて、スターがぼやけてしまいますが、光に透かしてみたら、針状結晶そのものが虹色に輝いていました。 これはこれできれいかも♪ さて、問題はこの針状結晶が何かということです。 針状……ということでまず浮かぶのがルチル。 しかし、ルチルの細かい結晶が内包……ということになると、それはローズクォーツの発色原因として見かける説明です。 しかし、ピンクではない白だからこそ、ミルキー・クォーツ。 ……だったらルチルではないかもしれない。 次に透閃石(トレモライト)。 見かけ的に可能性がありそうなんですが、トレモライトの場合、短い針状で縦横無尽……というよりは、ある程度まとまって毛並み状になっているものが多いような気がするんですが。 ただ、アクチノライトでは針状で縦横無尽に内包されていたりするので、可能性は残ります。 (アクチノライトとトレモライトは鉄分の含有量の差によって分けられます) 3つめ、新たな候補はシリマナイト。 ジラソルの説明で、シリマナイトの細かい結晶が含まれている……という説明を見かけたからです。 ……で、シリマナイトってなんだっけ。 調べてみると、和名は珪線石。カイアナイトやアンダリュサイトとは同質異像……つまり、成分は同じであるものの、結晶の仕方がちょっと違っているために別の鉱物となっている、兄弟石です。 でも……カイアナイト? アンダリュサイト? なんだかイメージが違うなあ……。 でも、カーボナイト(石墨)とダイアモンドの例もあるくらいなので、成分が同じでも結晶の仕方が違えば全く違う見かけになることもあるわけです。 画像を探してみると、岩っぽいのもありますが、中には透明でカットされたりキャッツアイ効果を示すものもあるようす。 では、透明にもなるし繊維状になる可能性もあり。 ここで目にとめたのが、その成分。 シリマナイトの化学組成はAl2 SiO5。 水晶はSiO2。 水晶の成分プラスさらなる酸素とアルミニウム……といえます。 さらにはミルキー・クォーツの一種であるメタモルフォーゼスは、アルミナがコロイド状に内包されているのだと言います。 アルミナは酸化アルミニウム。……つまり、酸素とアルミニウム。 これが、コロイド状になるのではなく、アルミニウムと珪素と酸素が組み合わさって、 水晶が結晶するのと競うように、シリマナイトになったりしないだろうか。 ついでに言えば、ルチルはTiO2、 トレモライトは、Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2。 水晶は基本SiO2ですが、微量にいろんなものを含んでいることが多いのだそうで、何でもありと言えばありなんですが、チタンやマグネシウムやカルシウム……よりは、含んでいることがはっきりしている珪素や酸素・アルミニウムの鉱物の方が可能性は高いのではないでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ブラジル産] カテゴリの最新記事
|
|