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2月の末にふら~っと工場にやってきた生命保険屋のみきおさん。
「時間あるなら松島に美味い蕎麦屋があるので食べにいかないか」 と、さそわれてみきおさん自慢のロードスターに乗ってミニドライブ。 みきおさんは、保険屋の前は地元大型畳店の腕利き営業マンで、そのため私が独立以来の関係なので12年くらいの付き合いだ。 これからの畳屋は生き残るために営業力も大切だと思っていた独立したての私は、みきおさんからいろいろなことを教わった。最近もちょくちょく相談することがあった。 営業の歩く字引きのような人だった。 保険屋に転身してからも畳の仕事をよく紹介してもらった。ありがたかった… それにしてもあの時松島で食べた鴨南蛮は美味かった… 美味い蕎麦のあとは、 「隠れ家的なコーヒー屋を見つけた」とかで「ちょっと付き合わないか」ときた。 松島から某朝日山までまたミニドライブ。 彼自慢のロードスターの乾いたエキゾーストノイズが心地良く助手席に響く。 車中でいろいろな他愛も無いことを話す。 車のこと。仕事のこと。醗酵にんにくの作り方。定期的に息抜きしてリフレッシュしたほうがいいよというお節介なアドバイス… 結局朝から、午後3時くらいまで付き合ったか。 少し不思議な感覚にとらわれた。 みきおさんとは長いこと仲良くさせてもらってはいたが、一緒に遊ぶどころか、プライベートで一緒に食事すらしたことなかったからだ。 それから数日経った震災後、みきおさんの携帯に何日たってもつながる気配すらないことに嫌な予感を覚えた。 でもまさか、新聞でみきおさんの名前を見つけてしまうことになるとは… 無意識でお別れにきたのだろうか? まあ只の偶然なんだろうけど… とても悲惨な出来事でしたが、私の中でみきおさんはあの髭の丸い顔をニコニコさせながら戻っていったような気がします。 合掌。 家の中、田んぼのようになりました。現在は掃除は大体終わってます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011年04月25日 23時07分25秒
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