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テーマ:感じたこと(2893)
カテゴリ:日々のこと
日曜日は都の選挙がありました。 選挙は、毎回私が卒業した小学校の体育館で行われます。 私がその小学校に始めて入ったのは3年生のときで、転校生として入りました。 確か、その頃で創立60年くらいだったと思いますが・・・ 年季の入った校舎で、薄暗くて少し不気味な感じの学校。 夜に一人でなんて、絶対いられないような、そんな古い校舎でした。 でも、そこで目に見えないけれどなにか怖いもの、という感覚を経験して、 子供の生活の中にそういうものがあったというのは貴重なものだったように感じます。 うっそうと木々、草花の茂った庭のようなところには、小さな田んぼと畑、飼育小屋がありました。 私が入ったときは、もう少子化に入ろうという時期で、クラスも2クラスしかありませんでした。 下の学年では1クラスになったりして、区内でもどんどん子供が減り、 私が卒業して何年かあとに、廃校になりました。 それでも、建物はずっとそのままで、選挙なんかがあるたびに行っては、 昔過ごした校舎をながめたりしていました。 いつだったか、取り壊されるという話を聞きました。 1年に1回行くか行かないかの場所だけれど、 あの走り回ったりしていた校舎がなくなってしまうのは寂しいと思い、 でも、何かに活用されていたわけでもないし、そういうものかな、と思っていました。 そして、何も考えずに選挙のために小学校に行ったわけですが、 行ってみると校舎は粉々の瓦礫と化していました。 木々が茂っていた庭もつぶされて、 体育館から繋がるプールへの廊下がかろうじて面影を残していました。 ずっと忘れていた小学校の頃の思い出が頭の中をいくつもよぎり、 その瓦礫のひとかけらが自分が過ごした教室の一部なのかもしれない、と、 呆然としながらしばらく眺めていました。 変わらないのは、校門のところに覆いかぶさるようにある桜の木。 花びらを紙吹雪のように落としていました。 どうしようもなく、胸がぎゅっと苦しくなりました。 寂しいお別れでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.04.11 21:16:16
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