戯曲 ぐゎらん堂書店の店長さんの事(8)
ご無沙汰していま~す! ちょっと、びっくりしちゃったのですが・・・ 今年、アナログ放送が終わっちゃうでしょ~。 そこで、旦那が、不動産屋さんに、その件について、尋ねたところ、 なんと!・・・驚いちゃいました。(まぁ、アンテナ等、大家さん が、手続きをするらしいのですが・・・) 何に、驚いたかと言えば・・・ フジテレビが、映らなくなるらしいです~! ええ~!なんで?アナログ放送で映っていたものが、デジタル放送 で、映らないの~?! 不動産屋さんも、「私も、変だとは思うのですが・・・」と。 建物の関係で、そんなことも起こるらしいです。 解消するには、どこかに、共同アンテナを立てるしかないそうです。 そこで、ひとこと言いたい! アナログ放送が届かないところに、電波が届くんじゃ、なかったん かい?! アナログ放送終了時には、もう、フジテレビは見ませんから・・・ 戯曲 ぐぁらん堂書店の店長さんのこと ***** ***** 青年 (なんとなくひとり言の様に)忘れち ゃいけない事ってーー。 店長 忘れられない事ーー。 玉夫 忘れないかな? 野呂 忘れちゃいけない!! 男客 そう。忘れちゃいかんのは宿題っ!! 章子 なっ、なっ、なっ、なっ、何たること をお云いか?!このデモシカ教師め!! デモシカ (ドキッとし)いかにも私はデモ シカと申す、教職に殉ずる者であるが、決 してデモシカ教師ではな~い!! 野呂 あれまっ、ちゃん、でべその宙返り!! デモシカ なにか文句でもあるのかね? 野呂 めっそうもねえ、お代官様!! 只、おら ~、デモシカさんがデモシカ教師でないな んてんで、びっくりこいただよ~。そんで もって、あれまっちゃん、でべその宙返り っ、てな事になっちまっただよ。このおた んこなすっ!! よっ、色男っ!! このっ!! 憎い 憎い。(と、デモシカ先生をつつく) デモシカ 何をするのかね。常識家の私を、 いったいどうしようと云うのかね。私はも ういやだっ!! 店長 デモシカ先生、そんなに興奮なさらず に……。 デモシカ 何を云う!! 私はデモシカではない っ!! いや、私はデモシカと云う名前だが、 決して、俗に呼ばれるデモシカ教師ではな いのだ。 店長 可成り取り乱してらっしゃる。落ちつ いて下さいよ。 デモシカ (一呼吸おいて)いや、申し分け ない。私ともあろう者がーー。 店長 いえ、こちらの者がとんだ事を申しま してーー。 デモシカ (思い出して)そーだよ!! 君ん所 の店員はなにかね、客をこんな扱いにする のかね?! 店長 本当に申し分けありません。 デモシカ 私はもう怒ったよ。怒ってしまっ たんだから仕方が無い。 店長 野呂 (それぞれに反省している態度を取る) 玉夫 章子 (それを見て)デモシカセンセッ!! デモシカ んっ?! 章子 何をお望みですの? デモシカ 何が?! 章子 あれらに何を望んでんだよっ!! (デモ シカにくってかかる) デモシカ 別に何も望んどらんよ。(ちょっ と考え)しいて云えばーー。 章子 敷いて寝転ぶ煎餅布団!! デモシカ (咳払いなんぞして)しいて云え ば、反省だろうか?! 矢張り、自分のやった 事には責任を持ってくれんと困るからな。 玉夫 (面倒臭くて)どう責任取ればいいん スか? デモシカ それは自分で考えるものだろ?そ れが反省と云うものじゃないか? 店長 申し分けありません。 野呂 玉夫 すみません。 章子 あんなにあやまってんのにさ。 デモシカ こんな、取るに足らない事ならば、 あやまって済んでしまうかも知れない。け れども、世の中そう甘いものじゃない。あ やまって済むなら警察はいらない、と云わ れる様に、あやまった位じゃ済まない事も 多々ある。償える事は償えば済むかも知れ ない。でも、そうできない事もある。償う 事ができないものだったら?きっと、私達 は一生反省を続けながら生きて行かなけれ ばならないのでしょう。御清聴ありがとう ございました。 デモシカ先生はおじぎをして、その 場を去ろうとする。 玉夫 先公は理屈っぽくっていやだぜ。 野呂 職業と云うよりも、あの位の年齢のや つが一番やだね。 デモシカ先生、立ち止まる。 野呂 理論や理屈ほど、いいかげんものはな いさ。理論や理屈は利用されやすいじゃな いか。戦争を起こす事がまちがっている理 屈は正しいのに、いつの間にか、戦争が正 しい理屈に入れ代わったりしている。理論 や理屈は理論や理屈によって、いくらでも 変えられるし、利用されてしまう。それよ りも、もっと大切なものがあるんじゃない かな?! デモシカ先生、野呂のそばまで来て いる。いやに難しい顔をして……。 デモシカ 何を云っとるのかね? 野呂 いえ、別に……。 デモシカ 自分の事を棚に上げて……。 野呂 それはあなたも同じでしょ? 店長 云うな! 一同 (えっ?! と云う感じ)……。 店長 もういい。同じなら云うな。 章子 どうして?店長、どうして云っちゃい けないんですか? 店長 いけないわけじゃないけど……。 章子 なら、なぜ? 店長 話し合っても、分かり合えるわけない からだよ。 章子 店長……。 デモシカ 私も忙しい身だから、もう行くよ。 店長 本当に申し分けありませんでした。 野呂 玉夫 すみません。 青年 すみませんでした。 章子 なんであんたがあやまるのよ? デモシカ (振り返り)君があやまる理由が みつからんが……。 青年 僕もいろんな人に迷惑ばかりかけて来 たから……。 デモシカ 私には関係ないが……。 青年 自分がやって来た事が重荷になって仕 方無いんです。 デモシカ 君が何をやって来たと云うのかね ? ***** ***** 今日はここまで・・・とっぴんぱらりの、ぷ~。