「黒子のバスケ」脅迫事件の被告人意見陳述文・・・に、思うこと。(1)
いえ、ね・・・ こちらの被告の意見陳述も、興味深いのです。 こちらも、とっても長いので、 ところどころ、省いてみましたが、 それでも、ながいです~。 興味深いのは・・・「無敵の人」の、存在です。 失うものが何もないから罪を犯すことに心理的抵抗のない人間を 「無敵の人」と、呼ぶそうです。 秋葉原の無差別殺人もそうだし、 先日のAKBの握手会の事件もそうですが・・・ 自殺の為の犯罪でしょ~。 この方の言うように・・・ 日本社会はこの「無敵の人」と どう向き合うべきかを真剣に考えるべき・・・ この被告の意見に、私も、同感です。 また、被告同様・・・ 日本中の前途ある少年たちがいじけず、妬まず、僻まず、嫉まず、 前向きで明るくてかっこいいイケメンに育つこと・・・を、 祈らずにはいられません。 私・・・思うのですよ~。 この被告の、 どこまでも、自分を卑下した人生を、悲しく思います。 そして、 逮捕後の、被告の人間らしい人とのふれあいや、生きる為に当たり前の条件。 「こんなにかわいい弟がいれば」・・・ 「こんなに明るくて、カッコ良くて、 ノリの良い友人が子供の頃にいたら」・・・と、おっしゃる被告の言葉に、 涙が止まりません。 それと・・・ご飯。 全文はこちら( ↓ )で検索すると、読めると思います。 「黒子のバスケ」脅迫事件の被告人意見陳述全文公開 ( 篠田博之 | 月刊『創』編集長 ) **** **** **** 「黒子のバスケ」脅迫事件の被告人意見陳述文公開(抜粋記載させて頂きました。) 「黒子のバスケ」脅迫事件の犯人の渡邊博史と申します。(略)全ての責任は自分にあります。(略)刑期満了まで服役することをこの場で宣言を致します。 (略) 動機について申し上げます。(略)痛みに苦しむ回復の見込みのない病人を苦痛から解放させるために死なせることを安楽死と言います。自分に当てはめますと、人生の駄目さに苦しみ挽回する見込みのない負け組の底辺が、苦痛から解放されたくて自殺しようとしていたという(略)自分はこれを「社会的安楽死」と命名していました。 (略)「手に入れたくて手に入れられなかったもの」を全て持っている(略)、この巨大な相手にせめてもの一太刀を浴びせてやりたいと(略)自分はこの事件の犯罪類型を「人生格差犯罪」と命名していました。 (略) 自分の人生と犯行動機を(略)客観的に表現しますと「10代20代をろくに努力もせず怠けて過ごして生きて来たバカが、30代にして『人生オワタ』状態になっていることに気がついて(略)成功者を(略)自殺の道連れにしてやろうと浅はかな考えから暴れた」ということになります。(略) しかし自分の主観ではそれは違うのです。以前、(略)元政治家の獄中体験記を読み(略)その中に身体障害者の受刑者仲間から「俺たち障害者はね、生まれたときから罰を受けているようなもんなんだよ」と言われたという記述があり(略)自分には身体障害者の苦悩は想像もつきません。しかし「生まれたときから罰を受けている」という感覚はとてもよく分かるのです。自分としてはその罰として誰かを愛することも、努力することも、好きなものを好きになることも、自由に生きることも、自立して生きることも許されなかったという感覚なのです。(略)自分に対して理不尽な罰を科した「何か」に復讐を遂げて、その後に自分の人生を終わらせたいと無意識に考えていたのです。ただ「何か」の正体が見当もつかず、仕方なく自殺だけをしようと考えていた時に、その「何か」の代わりになるものが見つかってしまったのです。それが「黒子のバスケ」の作者の藤巻氏だったのです。(略) (略)小学校に入学して間もなく自殺することを考えました。原因は学校でのいじめです。(略) 自分は昨年の12月15日に逮捕されて、生まれて初めて手錠をされました。(略)「いじめっ子と両親によってはめられていた見えない手錠が具現化しただけだ」という印象でした。 (略)「黒子のバスケ」が自分の人生の駄目さを自分に突きつけて来る存在でしたので、それに自分が満足出来るダメージを与えることで自分を罰する「何か」に一矢報いたかのような気分になりたかったのです。(略)いじめられっ子である自分が、いじめっ子の「黒子のバスケ」の暴力から必死になって逃れようとしていたというのが、自分の主観的な意識です。 (略)自分はこの事件を決してゲーム感覚などでは起こしておりません。(略) (略) (略)反省はありません。反省するくらいでしたら、初めからやりません。また謝罪も致しません。もし謝罪するのでしたら、それこそ尾てい骨の奥から罪悪感がとめどもなくあふれ出て来て、全身から力が抜け、目の前が真っ暗になって、前後不覚に陥るような状態にならなければ、謝罪しても意味がないと考えます。(略)ただ責任は取りたいと思っているのです。反省・謝罪と責任は違います。(略)自分が起こした事件により生じた金銭的な被害を弁済するということです。(略) (略)被害総額はいくらになるか想像がつきません。自分のこれまでの人生での総収入額は1000万円に満たないです。年収が200万円を超えたことは一度もありません。月収が20万円を超えたことも数回しかないです。自分には金銭的な責任を取ることができません。 (略) 自殺についてですが、自分は自己中心的な動機でも自殺したいのです。(略)動機も男として最もカッコ悪い種類の動機ですし、それが露見してしまったので、もう恥ずかしくて生きていたくないのです。それに自分は「負けました」と言って(略)つまり自分の人生は終わったのです。(略) 取り調べで刑事さんや検事さんから「社会復帰」という言葉が出て来たことがあります。自分は(略)出所後にすぐ自殺しますので、社会復帰はしません。(略)取り調べで刑事さんから冗談めかして、「出所したら物書きにでもなったら? 喪服の死神の前歴を生かすならそれしかないよ」と言われました。自分は「冗談じゃない! 自分はもう物を言ったり書いたりする資格のない人間なんだよ」と叫びたくなりましたが、黙っていました。 (略)自分は国家権力や、それを背景にした特殊な圧力団体の構成員でもありません。仮に言論の自由に挑戦する主体が私人だったとして、その私人からの自由という意味で「言論の自由」という概念があるとしましょう。それでも自分は「言論の自由」に挑戦したとは思いません。(略)これは「言論の自由」の問題ではなく、危機管理のあり方の問題なのです。(略)これは頭がおかしい人間への対応を巡る危機管理の問題なのです。(略) (略)単行本の撤去は日本の出版の歴史に残る事件だと思います。(略)(2)つづく・・・