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カテゴリ:極私的80年代女性アイドル年代記
80年代、70年代型の典型的なアイドルの一人として
私は、石野真子を思い浮かべる。 (彼女は78年デビューで、そのアイドルとしての 全盛期が80年なので、70年代と80年代をまたいで 活躍したアイドルであるが、デビューが78年であることから 「80年直前(デビュー)アイドル」とよぶ) かわいらしい八重歯で 愛らしい笑顔を常に振りまく石野真子は、 典型的というよりも 女性アイドルの鏡 ともいうべき存在であった。 時に 新人らしい初々しさや瑞々しさ、純粋さ そして、若さの中にひめられた 無尽蔵の可能性を感じさせるような そんな新人アイドルのデビュー曲と出会うことがある。 松田聖子 『裸足の季節』 岩崎良美 『涼風』(デビュー曲でなく2曲目だが) 中森明菜 『スローモーション』 三田寛子 『駈けてきた処女(おとめ)』 石川秀美 『妖精時代』 にそのような思いを感じたが 石野真子の 『狼なんか怖くない』も そんなデビュー曲の一つであった。 石野真子は、デビュー後、 瞬く間にトップアイドルに上り詰める。 しかし、「トップアイドル」ではあっても 後の松田聖子のように歌謡曲の頂点に到達 できたわけではない。 彼女が活躍した78~79年の歌謡界の状況は どのようなものだったかというと 77年から78年にかけてピンクレディーが空前のブーム を巻き起こし、社会現象を引き起こす中、 沢田研二、山口百恵がこの『怪物』ピンクレディー と競い、世良公則&ツイストも大ヒットを飛ばしてくる。 また かつての「フォークソング」が「ニューミュージック」と 名称を変え、78年~80年にかけて大挙おしよせてくる。 アリス、松山千春、オフコース、チューリップ、 南こうせつといった面々である。 そのような状況の中で78年~79年は、 「女性アイドル冬の時代」 ともいうべき時代であった。 石野真子の同期デビューとして、 シンガーソングライターの 渡辺真知子がいる。 石野真子は日本歌謡大賞新人賞をとったとはいえ、 この年、もっとも活躍した新人は 『迷い道』、『かもめが飛んだ日』の渡辺真知子であろう。 (レコード大賞最優秀新人賞) また、80年直前アイドルの 石川ひとみや倉田まりこが、どこか憂いを感じさせる中 (石川ひとみの場合、それが魅力でもあった) 石野真子は、常に明るく元気よく、振りもかわいく 天真爛漫正統派アイドルを見事に演じきっていた。 後の82年デビュー組みの作り手側は、 松田聖子の成功からの影響を 多分に受けたのに対して、 小泉今日子や堀ちえみが、 「石野真子に憧れて芸能界に入った」 というほど、 石野真子は82年組の中での影響が、 大きかったのである。 さて70年代後半にはもうひとつふれなくては ならない話題がある。 それは絶対的ともいえる歌番組 TBSの『ザ・ベストテン』(77年) の登場である。 歌番組は数多くあれど、その週のベストテンの曲を (可能な限り)全部出場させる、という執念にも似た 番組作りは、後に最高視聴率41%に達するほどの 国民的番組になる。 順位は、 レコード売り上げ、 有線放送ランキング、 TBSラジオランキング 視聴者からのハガキのランキング の4つのランキングを独自に 重み付けして算出し、 毎回、獲得点数と一緒にベストテン曲を紹介する というランキング至上主義に徹したものであった。 それによって、売れている曲、売れていない曲 というのが鮮明に分けられることになる。 「ザ・ベストテン」に出場できることは、一つのステータスになり、 番組で紹介する20位から11位まで最低ランクインしていないと 売れている曲と認知されなかった。 さて、よほどのマニアでもない限り、オリコンの順位を覚えている人 はいないと思うが、「ザベストテン」を見ることで ヒット曲とそのベストテンの順位が実感されるようになった。 例えば、『ルビーの指輪』はオリコンで連続何週1位になったかは、 当時知らない人がほとんどだったと思うが、 その時代、ザベストテンを見ていた人々は、 『ルビーの指輪』が12週連続1位という大記録を打ちたて、 出演者用座椅子の真ん中にそのことが記念されて 刻印されていることを記憶しているであろう。 その絶対的な歌番組「ザ・ベストテン」に 石野真子は、2曲ランクインしている。 『春ラ!ラ!ラ!』と『ハートに勝負!』 である。 ともに、1週しかランクインしなかったが、 「まさにこれぞ女性アイドルの歌だな」 といまさらながら実感する。 石野真子は81年に長渕剛との結婚で 女性アイドル時代を終える。 21世紀になっても忘れずにいたい 80年直前の女性アイドルである。 つづく -------------------------------------- 心に残るデビュー曲『狼なんか怖くない』(78年)。 阿久悠の詞がさえる。 「ザ・ベストテン」には20以内に登場するも ベストテン入りならず。10位以内に入ることを 願っていたんだけれどなあ。 しかし、彼女の代表曲『ジュリーがライバル』となる。79年の紅白初出場曲。 石野真子『春ラ!ラ!ラ!』(80年)「ザ・ベストテン」初登場! 岩崎良美の『涼風』もあります。 他に三原淳子『セクシーナイト』(80年)、 伊藤つかさ『少女人形』(81年)も itoushirou2さん、ありがとう! 続けてリリースした『ハートで勝負』。 曲もちょっぴりセクシーでいいですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.06.02 12:01:52
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