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南ドイツ 小さな谷の旋律

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April 5, 2010
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カテゴリ:教会コーラス
今日はイースター連休の最終日。
キリストの復活をお祝いする、イースターのハイライトでもある。

S村とK町ではすでに日曜日にイースターのミサが終わっていたが、O村は今日、月曜日だった。

O村教会コーラスの指揮者は、K町の教会コーラスでミサ曲を歌う時にバス・ソリストとして活躍してくれるクリスチァン。


われらがS村、K町の教会コーラスの指揮者ヴォルフラムとクリスチァンとは、もう10年以上の付き合い。

そんなわけで、S村とO村は毎年夏のそれぞれのPatroziniumを合同で歌うのがお決まりになっている。

ヴォルフラムはオルガン奏者でもあり、O村でオルガン奏者が都合つかない時に駆り出されたり、クリスチァンの都合がどうしてもつかない時に、プローベを引き受けたりもしている。

その代わり、K町がミサ曲を歌う時には、クリスチァンが必ずソリストとして参加してくれる。

小さな谷のカトリック教会関係という非常にローカルな社会は、こうして濃い人間関係の上に成り立っている。


ヴォルフラムは今回もオルガン奏者のいないO村の演奏を引き受けていた。

S村のゲネプロの日、先にO村のゲネプロに参加してきたヴォルフラムは、少し遅れてやって来た。

O村はこの谷の一番奥に位置していて、私達が住んでいる市から車で30分近く走ることになる。

完璧主義のクリスチァンの事だからゲネプロの時間がオーバーしたのか、単にヴォルフラムの読みがが甘かったのか。

ま、彼の遅刻はいつものことだけど。

やって来たヴォルフラム、開口一番

いやー、大変だ。
O村はレオポルド・モーツァルトのミサ曲を演奏するんだけど、さすがのクリスチァンでさえ「この曲は難しいな」って言ってた。



えええええ、聴きたい、ぜひ!!うっしっし


パパ・モーツァルトのミサ曲なんて、聴いたことがないので、さらに好奇心をかきたてられた。

さすがにせっかくの連休に毎日教会を訪れるということにオットも私も抵抗があり、夕べはあんまり乗り気ではなかったけど、今朝になってからやはり好奇心に負けて行ってきた。


ミサの始まる時間ちょうどにつくようにギリギリに家を出る私達。
小さな小さなO村のことだから、まさか教会が一杯になるなんてありえないとたかをくくっていた。

教会についてみてビックリ。

参列席は埋まっていて全然開いてないびっくり

最初は立っているつもりだったのだが、それもなんだか居心地が悪く、結局Empor(オルガンが設置してある2階部分、コーラスやオーケストラも通常はここで演奏する)に上がっていった。

今日は関係ないのに上がっていったら睨まれたりして、、、なんて思いながら上に着くと、すぐにクリスチァンと目が合った。
あ、なんか嬉しそうに笑ってる。
オルガンの前に座っているヴォルフラムも私達に気がついて、ビックリしながらもすごく嬉しそうに笑ってくれた。
O村のコーラスの人達も皆、嬉しそうに挨拶してくれて、心底ホッとした。


感想。

本当に難しそうな曲だった。
スズメのミサ曲の方が絶対に覚えやすい。

特にGloriaは長い上に各パートがバラバラに畳み掛けるように構成されているので、それぞれが確実にテンポとリズムを保って歌っていかなければならない。

出来も良かった。
KyrieとGloriaは本当に良かった。

ソプラノのピッチが若干低くなった箇所がいくつかあったけど、それでも全体のピッチが落ちることはなく、最後まで果敢に突き進んだ。
残念なのは、テノールが薄いこと。
テノール不足はどこも一緒。切実な問題なのだ。

ミサ曲からはもう1曲だけ、Sanctusも歌ったけど、これはちょっとがたついていた。

S村でもK町でもそうだけど、ミサの最初にKyrieとGloria歌うと、その後は聖書の朗読や祈りなんかが続いて、Sanctusまで間があく。

この間がクセモノなのだ。

緊張感が途切れるせいか、せっかくいい感じに温まった体が冷えるのか、Sanctusは大抵ガタつく。


ミサが終わりコーラスは解散、それぞれが次々に降りて行く中、顔見知りのメンバーに「すごく良かった」と声を掛けると、本当に嬉しそうな笑顔が返ってきた。

次は一緒に歌う??

んんん、考えておくうっしっし


クリスチァンが通りかかり、楽譜を見せながら饒舌に話し出した。

Gloriaがさー、ホント、大変なんだよ
全部のパートがバラバラに進んでいくんだもの


でも満足気だった。


やっぱりこういうのって楽しい。









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最終更新日  April 8, 2010 03:42:41 AM
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