|
テーマ:コーラス(2704)
カテゴリ:その他のコーラス
この冬は暖冬で、通常ならば最も平均気温の低い1月中でも気温が5℃以下になることがほとんどなかった。
ワン子の散歩に行った時に、まるで春の訪れを歓迎するような鳥たちのさえずりが聞かれた日もあったし、柳の花もすっかり咲いて花粉が飛んだりしていた。 もうこの冬は終わりでこのまま春が来ると誰もが思っていた。 それなのに、嗚呼それなのに 週の始め頃から突然気温が下がり始めた それはもう見事な下がりっぷりで、水曜日-4℃、木曜日-7℃、金曜日-10℃、土曜日-14℃といった具合。 ちなみに日曜日は-16℃どこまで下がるんだろう?? 私は基本的に夏は暑く冬は寒いことに抵抗はない、 のだけど、 何もコンサートの日にそんなに気合入れて冷え込まなくってもいいのに Rコーラスのコンサートはたいていいつも教会だ。 教会ってところは、だいたいにおいてどこでも寒い 夏だってヒンヤリしているのに、冬なんか外と変わらないじゃないかというくらい寒い 教会だって経費削減で、使用する直前にならないと暖房を入れないから当然と言えば当然だけど。 そんなクソ寒い日に、わざわざ冷えるとわかりきっている教会に、おとなしくじっと座って聞かなければいけないコンサートに行こうと思う人がどれだけ居るだろうか?? 不安だ、果てしなく不安だ、、、 それに歌ってる方だって、やっぱり寒い。 いや、歌っている最中は寒くはないけれど、指揮者が曲ごとに曲の説明をするので、歌わずにただつったって居る時間が結構ある。その間にせっかく歌って温まった体が冷えてしまう。 コーラスのドレスコードがあるので、何でも良いから暖かい格好をするというわけにもいかないのがツライところ。 コンサート当日、教会に到着してすぐにEinsingenだった。 たいていはEinsingenや着替えのための部屋を貸してもらえるのだけど、それは教会によって実に様々。 この日は、来てくれるはずの人がまだ来ていないとかで、教会の中に居るしかなかった。 この寒さではまさか外に居るわけにもいかないし 教会はバロック風の建築で、明るくて、小さくて質素ながらもキレイに装飾が施されていて素敵だった。 この森深い地域では典型的な模造大理石の装飾だ。 大理石の出ないこの地域では、遠くイタリアから大理石を運んでくるよりも、豊富にある木材を使い、表面をギプスで仕上げた後に、大理石の模様を手で描き込んだ。 手間暇が掛かる仕上げ法で、実は大理石を運んでくるよりも高価だと言われる。 内陣に並んでみて、簡単な発声練習に続いてプログラムを触りだけざっと通していった。 大抵の場合、内陣へと上がる数段の階段を利用して並ぶのだけど、天井のアーチの構造や位置によって響き方が変わるので、毎回少しずつ並び方を替えたり位置を前後させたりして立ち位置を決めていく。 あ、これがゲネプロか そうしている間に、数人入って来て席についた。この人達は観客?それとも単なる教会の訪問者 Einsingenが終わり、それぞれが着替えたりして本番までの時間を過ごす。 それにしても寒い。この何もしない時間は特に体が冷える。 それでも冬の長いドイツでも日は確実に伸びていて、コンサートが始まった頃はまだステンドガラスを通して夕日が差し込んでいた。 歌っているうちに日が暮れて、外が暗くなった。 途端に急激に冷え込んできた。 今回は珍しく2列目に立っていたので前面は寒くないけれど、後ろは男声との間に少し間隔が空いていたせいか、背中がやけにひんやりスースーする 真後ろに大きな冷凍庫があって扉が開けっ放しになっているような感じ。 冷気が背中に降りてくるのが目に見えるようだった コンサート自体は上手くいった。 町から離れたところにある村で、町からのバスも1時間に1本くらいしか無いところなのに、思いの外入りが良く、小さな協会はほぼ満員になった。 いちばん後ろの列の人まで表情が分かるくらいの規模だったので、観客の反応が分かりやすく楽しかった。 音程がズルズルと下がってしまった曲ももちろんあったけど、それはまあいつものことなので、いつもよりは少なかったような気がする。 コンサートの後は、打ち上げがその村にあるレストランで予定されていた。 レストランに向かうまでの短い時間に、教会の入り口付近でボーッとしていたら、すぐそばに立っていた観客の二人の男性と目が合った。 すると二人とも上機嫌で、良かったよ、素晴らしかったと話しかけられた。 実は僕達もね、昔このコーラスで歌っていたんだよ。 コーラスに入ったのがもう50年くらい前だけどね。聞くと歌える曲が何曲もあって自分でも驚いたよ なんとOBだった!! いやーでもね、あの頃よりもずっとレベルが上がってるね。 あの頃は人数こそ今の君たちよりも多かったからボリュームはあったけれど、君たちのハーモニーは素晴らしいよ。 それに、僕らは歌詞の意味も分からずに歌っていたけど、君たちの歌を聴いていると、ちゃんと内容も理解して歌っているっていう感じがしたよ エライ褒めてもらいました 彼らはその後、打ち上げにも来てくれて、最古参のメンバーと昔話に花を咲かせていた。 帰る時、もう一度全員に向かって 今日は本当に素敵な時間をどうもありがとう。 まるで自分達の青春時代へトリップしたようだったよ と声を掛けてくれた。 メンバーからも うん、じゃあ、火曜日に3015でね と声が掛かった。← 次のプローベに来い、つまり現役復帰しろ、というお約束のジョーク。実はこのコーラス、設立以来80年間変わらず同じ曜日同じ時間同じ講義室でプローベを行なっているらしい。 わははははは ← あっさりとスルーされた もう何十年もコーラスから離れている人がまたコンサートに来てくれて、喜んでくれて、お互いに全然知らない者どうしなのに、一緒に歌うことができて、仲間として打ち解けて楽しく一緒に過ごすことが出来る。 しかしこのコーラス、本当に80年間も同じレパートリーを歌い続けているんだなあ さて翌週の土曜日もコンサートだ。 次は20時始まりなので、もっと寒いかもしれない。 気温がこのまま上がらないようならもう少し暖かい格好をしないと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[その他のコーラス] カテゴリの最新記事
|