好奇心ネットワーク

拝啓　ロデオ様

貴方
がこの家を旅立ち二週間ほど経ったと思います。
あちらのお宅では元気に活動できているでしょうか。

「テレビを見ながら出来るから買って。」と家人。
当時ブームになっていた健康器具。

私は何回も本当に乗るかどうか確認しました。
そして我が家にやってきた貴方。

家では殆ど動かない当人が珍しく自ら箱から出し、早速またがりました。
「これで痩せてくれる･･･。」と期待した私。

しかし物事はそう上手く運ばなかった。
やがて腰が痛いと言いだし、テレビを見ている時に貴方を構うように進言しても
「後で。」
「明日。」
「今日はそういう気分じゃない。」
「あまりしつこく言うからやる気がなくなった。」
と、ありとあらゆる言い訳を使うようになりました。

やがて新聞置き場となってしまった貴方。

私はロデオの存在をもう一度見直してもらおうと、
貴方のその小さくはない体で、わざと通り道を遮るように玄関に立たせたり、廊下に座らせたり努力しました。


とうとう当人は「要らない。」と、非情な言葉を発しました。

数える程しか歩くことのなかった貴方。
このまま処分してしまうのは悲しすぎます。

周りに声を掛けると、幸い引き取ってくださる方が現れました。
車の後部座席に横になり、去っていく貴方。

車の後ろ姿を見て少々しんみりしてしまいました。
でも今ごろ新しい主の元で第二の人生を輝かせているはず。

そう信じています。

敬具

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