和木綿生活（わもめんくらし）～宮田織物～

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社員通用口に置いていた白板。陰の立役者です

（前回はこちら）
■怒涛のアップ
日産目標を1080枚に下げたまさにその日の午後から、また、つまえ済みのガウンが、製品課から来るようになったのです。製品課が時間をやりくりして、つまえをやってくれたのでした。本当にありがたい。そしてさすがに、たたみのみは早い。10月15日のアップ数1375枚、16日金曜日1330枚、17日土曜日1535枚。怒涛のアップです。

明けて19日月曜日。さあ、いよいよ最終出荷の週になりました。朝の時点で、21300枚まで、あと4224枚。4で割ると1056枚。やれる。意地でも木曜日に仕上げて、金曜日はすっきりと通常業務に戻りたい。と、ここで「21300枚より少し多めに上がってきます」と工場長の一声。少々出鼻をくじかれつつも、もちろんウェルカムです。このペースなら、多少増えても木曜日までに完了するでしょう。

10月19日月曜日1080枚。10月20日火曜日1327枚。実はこの二日間、私は別件でガウン作業に入れなかったので、後でこの数字を見て、みんなの頑張りに感激しました。翌10月21日水曜日1045枚。水曜日の終了時点で、残りあと779枚。779枚やれば21300枚完了です。

■決戦は木曜日
木曜日、さあ、もう絶対今日終わらせるぞと、私は鼻息も荒く朝からつまえたたみ室に入りました。ところが、その日はみんな忙しかったらしく、なにか人数が少ない。しかも、製品課にB品の修理などが入り、スムーズに仕掛けガウンが来ません。午後にはますます人数が減ってきました。パートのスタッフが抜け、時短のスタッフが抜け、男性スタッフも出荷で忙しい。頼みの綱の最後のスタッフも「社長、すみません。急ぎの仕事があって。」とうとう私一人になりました。

残り100枚以上残っています。今から一人では無理な数。翌日の金曜日午前中アップでも間に合いますから、そのまま残しても良かったのですが、とにかく私は、今日中になんとしても終わらせたかった。でもさすがにもうダメかも、と心の中で涙ぐんだ時、救世主が現れました。「今日は１枚もやってないから。」と総務部長が来てくれたのです。総務部長は作業が速い。なんとか間に合う可能性がでてきました。

ぱた（一心不乱ににたたむ音）

ぱた

ぱた

ぱた

ぱた

ぱた

ぱた（最後の一枚）

間に合った！間に合いました。やっとやっと終わったという大きな安堵感とともに、なぜか「ほっかりスペシャル」という聞いたこともないダサい単語が頭に浮かんだのでした。意味不明。

秋の日暮れは早く、外はもう真っ暗でした。（すみません、あと一回だけ、続きます。８回目はこちら）

☆10月23日金曜日出荷予定21300枚
☆10月22日現在21300枚＋　残0枚

▼いつもはオリジナル製品を作っています。今はあったかい綿入れ袢天（はんてん）
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