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ステロイドを再開してからの経過の概要は「最後の日記1」に書いた通りです。
病気の進行とともに魔法の薬は効かなくなっていきました。 T先生の指示でステロイドを朝1回から朝と晩の2回に増やしましたが、それでも痛みを止めることができませんでした。 食欲が落ちてくると急激に衰弱は激しくなりました。 もう一度先生に相談に行くと、今度はさらに強いステロイドを処方してくれました。そして 「もしこの薬が痛みに効かなかったら後のことは。。そのとき考えよう」 先生のこの言葉は、安楽死を意味していました。 ---病名について--- 尿道のポリープ以外の病名は最後までわかりませんでしたが、わたしなりに調べてみました。 そしてはっきりこれだとは言えませんが、しーちゃんと非常に良く似た症状の病気をみつけました。 「クローン病」 潰瘍性大腸炎と並ぶIBD(炎症性腸疾患)のひとつです。 発症の原因は不明で治療法も確立されていません。 人間の場合は難病に指定されています。 T先生は当初から(2005年1月のなかなか治らなかった下痢)しーちゃんの潰瘍性大腸炎を疑っていました。 ただ潰瘍性大腸炎にしては、ちょっと症状が違うのでそこら辺がよくわからないとおっしゃっていました。 調べてみるとたしかにしーちゃんには、潰瘍性大腸炎では説明のつかないいくつかの症状がありました。 でもクローン病ならありうる症状なのです。 潰瘍性大腸炎が炎症の部位が大腸のみであるのに対し、クローン病は口から肛門までの消化器官のどこにでも潰瘍が出来うる病気です。 症状としては下痢・悪寒・発熱・腹部の激痛・腸の狭窄・穿孔などです。 症状が進行すると近くにある他の臓器との癒着や瘻孔(癒着した臓器同士に穴が開き開通してしまうこと)をおこします。 潰瘍性大腸炎との違いに下血が必ずしもおこることではないこと、原因不明の関節炎などがあります。 薬での治療がメインですが(ステロイドやサラゾピリンという腸の炎症をおさえる薬です。しーちゃんはどちらも飲んでいました)重症になると効果はあまり期待できないようです。 悪化すると潰瘍のできた部分を切除するために手術が必要です。 しかし手術をしても再発するケースが多く、何度も繰り返し手術をすることもあるようです。 一度発症すると自然治癒はめずらしく、大抵は緩解(症状がおさまっている期間)と再燃(再び炎症があらわれること)を繰り返しながら一生付き合っていく病気です。 これはあくまでも仮説ですが、しーちゃんがもしこの病気だったのだとしたら、大雑把にですが以下のような経過をたどったのではないかと考えられます。 腸が炎症を起こし軟便や下痢を引き起こしました。 腸と膀胱が癒着したことでふたつの器官が連鎖反応をおこすようになりました。 長期間の炎症により腸は狭窄し、しぶりといきみが酷くなりました。 関節炎も発症しました。痛みのために後ろ足の震えがおこり、炎症がすすむと後ろ足を動かすことに苦労しました。 次第に腸と膀胱が瘻孔し、腸の細菌によって膀胱は炎症をおこしました。 そしてついには腸の瘻孔により腹膜炎を起こして腹水が溜まりました。 とてもめずらしい病気のため、人間でもクローン病だと診断されるのに何年もかかる場合があるようです。 しーちゃんの病気がクローン病だったとしたら、一般の動物病院で原因不明とされてしまったのも無理はないのかもしれません。 診断の確定には内視鏡での詳しい検査が必要ですが、しーちゃんはこの検査をしません(出来ません)でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 14, 2006 07:04:00 AM
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