テーマ:詩&物語の或る風景(1049)
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目の前にはドナウ川。 その畔で、一組のカップルが散歩を楽しんでいました。 「もうすぐ、私たち結婚するのね」 「うん。結婚したら、この川の畔に、家を建てるんだ。 そして、このドナウ川の様に綺麗な君を見つめながら 毎日を過ごすんだ。 そして、僕はあの小島にある君の瞳と同じ色の花を取ってきて、 君の髪の毛を飾ってあげるんだ。」 そう言った青年の、目の先には 小さくて、碧い花が溢れんばかりに咲き乱れていました 「そうだ!君と、僕との永遠の誓いの花飾りを、 今から作ってあげるから、ちょっと待っててね」 そう言って、青年は川に飛び込み、 泳いでその花を取りに行きました。 そして、その花で髪飾りを作り始めました。 「まだ~?」 「まだ~だよ☆」 その姿を彼女も楽しそうに見ていました。 やがて、髪飾りが完成し彼女の待つ畔に引き返そうと 再び川に飛び込みました。 ゆっくりと、そして順調に泳いでました。 しかし、間もなくと言う所で、彼も気持ちが緩んだのか 彼は川の急流に巻き込まれてしまいました。 それは助ける術も無く、一瞬の事でした。 「僕の事を忘れないでくれー!」 そう言って、川に飲み込まれて消えていきました。 彼女は、亡き彼を忘れない為に、 その花を生涯身に付け続けました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.02.17 10:03:07
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