テーマ:徒然日記(23494)
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私の名前は「青空みなみ」 もちろん本名じゃない。 わたしが書いている小説のペンネームだ。 何年も前に書いた小説が異様にウケて 新人賞を貰ったけど、それ以降は全く売れない、 出版社の人もいいかげん愛想を尽かして 担当の人さえ私のところには顔を見せない寂しい小説家だった。 私も何度と無くこの仕事を辞めて普通のOLやっていれば 今頃私は、適当な人と適当に恋をして、 適当に結婚していたと思う。 私の小説のジャンルは恋愛物一本だった。 寝ても、冷めても、恋愛の事ばかりを妄想して それを、ひたすらパソコンで書き綴る。 普通小説家って言ったら、紙とペン片手に、書いては、捨て 消しては、また書きって言うのがイメージ的に強いけど、 最近は文明の利器の恩恵を受けて、書き上げから、入稿までこれ一台だ。 実に便利な世の中だって思う反面、人とかかわりが無くなる寂しい物でもある。 そんな私だけど、若干の固定ファンが居て、いつも その方からのファンレターを貰うのが唯一の楽しみだった。 「誰かが私の小説を読んでくれて、その人が共感してくれればそれで良い。」 そんな私だったけど、少し逃げたくなった。 ほんの少しだけ・・・・ 締め切りからも、原稿からも、固定ファンからも・・・ これが私にとってのスランプだった。 書きたくても書けない。 妄想したくても、妄想出来ない。 ガチャガチャしていて、気を抜くと、 そのまま街並みに飲み込まれそうなこの街から逃げたかった。 とにかく静かな場所に行きたかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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