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わすれな草 ~伝えたくて~

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2006.04.01
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カテゴリ:カテゴリ未分類

今日はエイプリル・フール

年に一回誰もがウソをついて良い日

あたしが嫌いなヤツを散々バカにして良い日だ。



あたしは、この日の為に、どれだけ待ち望んだことか、

今日こそ、今日こそ拓也のヤツをギャフンと言わしてやる。

あたしは、とにかく拓也の事が嫌いだった。

そして、男勝りなあたしを拓也は嫌った。



「ちょっとは女らしくしろよ!この豚ゴリラ女!」

「あんたみたいな、乱暴な男はあたしは嫌いだよ!」





昔は、幼なじみで、泥んこになりながら、よく遊んだ。

ホントにあの頃は楽しかった。

どうでもいい事でも笑えた。

箸が転がっても笑っていた。



それが時が経ち、お互い仲良くしているのが、恥ずかしくなったのだろう。


いつの日かあたしと、拓也の心は離ればなれになり

あたしは拓也のことが嫌いになった。


休み時間から帰って来たら、筆箱にカエルが入ってるし、

廊下で会えば、お互いを罵倒しあった。




で、今回はとびきりの悪戯を考えた。

拓也の好きなヤツを学校中にバラしてやるのだ。

別に相手なんか知らなくてもいいのだ。

そういや、風の噂で、拓也はB組の

英子が好きとか言っていたっけ・・・

ちょうどいい。

適当にデッチあげていいふらして

ヤツが真っ赤になったら大成功だ。

あぁ、早くあいつの困った顔が見たい。



あたしは作戦を実行した。

女子高生の噂は、オバサンたちが見る

お昼のワイドショー並に早い物で

すぐに学校中に広まった。

そして、予想通り拓也はかなり困っていた。

しかも、誰が流したかは、拓也は解っている。

いい気味だ。



案の定、放課後に拓也に呼び出された。


「どういうつもりだよ!」



拓也は、相当キレていた。



「あたしは、拓也の恋の手伝いをしてあげたんだよ。感謝してよ」



「俺が一番好きなのは・・・・」


言いかけて止まって真っ赤になった。


「お前だよ!」


そう言って、屋上を去って行った。

あたしの中で時間が一瞬止まった。

そう、紛れも無く、あたしも本当は

拓也の事が好きだったのだ。

ただ、お互いに恥ずかしかっただけなのだ。


ただ、それに気づいたのはあまりに遅すぎた・・・



-終-






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Last updated  2006.04.09 17:49:30
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わすれな草2006@ star fishさん >どんどん不憫な探偵さんになっていくよ…
star fish@ シリーズものの最新作ですね。 どんどん不憫な探偵さんになっていくよう…
わすれな草2006@ star fishさん >働くって、夢を与えることでもあるんだ…
star fish@ 自分の体験も入ってそうですね。 働くって、夢を与えることでもあるんだな…
わすれな草2006@ today3さん >Y氏の隣人(漫画ですが)を思い出しまし…

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